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崩壊するドグマとまさおの日常  作者: 和泉書房
秋のこと・一夜明けて
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風景40

 どうやら、縄をほどく際に、ナイフでベルト、そしてズボンまで切ってしまっていたようだ。

 まさおのまさおを至近距離で見た衝撃。それにより昨夜の恐怖体験のトラウマが、何倍にも増幅されて、少女の精神に一気に広がった。この強烈な恐怖の支配は、次に魔力の消失を引き起こす。少女の体から大量の魔力が瞬時に放出され、それは辺り一面に、数秒間の強烈な光を放射した。それが収まるころには、少女はもとの姿、形に戻っていたのだ。



 傍らで見ていた馬の如き聖獣が、傷が癒え体の動きを取り戻したのは、この後であった。隣に居た魔導師と、気を失った少女を背中に乗せ、西の空へと飛んでいったのだ。



 一方残された三人が、自分たちへの危機が去ったと自覚するのにはなお数分を要した。三人は各自、骨折、火傷、衣服の損傷が酷いものの、人目を避けて何とか校舎を後にするのだった。





 以後その町で、不思議な力を使う少女の姿を見かけたという人はいない。





 市内の病院の入口で、高田が車を停めて待っていた。しばらくすると、お見舞いから戻った少女が車に乗り込み、緩やかな坂道を走り始めた。


「エリ様はお元気そうでしたか?」


「もちろんですの!エリちゃんは頑丈なんですのよ!」


「そうですか。それは良かったです。」


「でも、学校の階段で転んで、足の骨を折ってしまうというのは、エリちゃんらしくないのですの・・・。」


「まあ、そういうこともあります。」


「う~ん。わかりましたわ!おじ様、決めましたの!」


「何がですか?お嬢様。」


「エリちゃん一人だとまた、ケガをしてしまいますの。やっぱり、キョウカがしっかりと見ていてあげなくてはならないのですの!だから、怖いからといって、学校を休むことはもうしないですのよ!」


「おお。そうですか!」


「さあ、明日もエリちゃんにちゃんと宿題を届けますわよ!」


「はい!」


「あ、それとなのです、エリちゃんに他に頼まれた物があるのです。」


「何ですか?また、お菓子とかですか?」


「そういう物じゃなくってなのよ。え~とメモメモ。あ、あったのですの!」


 そう言って少女は、高田に一枚の紙切れを渡す。


「絵で描いて貰ったのですの。おじ様、これはどこのお店で売っている道具かご存知?・・・何でもその角の様なところから、電気がでてくるそうなのですの。」


「う~ん。これはちょっとぉ、お嬢様。まだ、早いんじゃ無いんですかねぇ。」


「あ、またそうやって、キョウカをお子さま扱いですの!?怒っちゃいますのよ!?」


「いや、子供とかそういうことじゃあ・・・」


 二人を乗せた車は、変わらずゆっくり走り続けていた。


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