風景39
「ハッ!ここはどこ!」
気付くと私は見知らぬ神殿の様なところで倒れていたの。私のほかに誰もいない静かな場所。どうしてこんな所に。確かさっき怖いお兄ちゃんに襲われて、何回か叩かれて、魔法で傷を治そうとして・・・そこから何も覚えてない。
「目覚めましたかエリー。」
「だ、誰?」
とても綺麗な声が聞こえてきたの。でも誰も姿が見えない。
「私には姿がありません。私は全ての魔法を司る者。」
「魔法の・・・神様?」
「そうあなたが信じるのなら神様です。」
「そんな、神様が何で?」
「今、あなたの魔力が暴走を始めています。」
「そんなぁ。一体どうしたら良いの?」
「魔力の暴走はあなたの心の恐怖が生み出すものです。恐れてはなりません。これ以上恐怖に心奪われるなら、あなたから魔法が消えてしまいます。」
「私・・・頑張ります。・・・そうだよね、魔法少女は笑顔でいなくちゃね!」
「そうです!さあ、魔力に奪われた体を取り戻すのです!今一人の少年の命をあなたが奪おうとしています。何としても止めるのです!」
「はい!」
そう言うと、私の周りが光に包まれて、神殿の風景が薄れていった。もと居た場所へ戻っていくのがわかる。
そして気が付くと、さっきのお兄ちゃんのお顔をパンチする寸前!
私の体!止まってぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!
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「あれ、俺生きてる?」
間一髪!やったぁ!ストップ成功!これで、みんな無事だね!
「ファサッ!」
その時、何かがずり落ちる音が聞こえたの。何かしらって、アレッ?
「え、どした?俺なんかやったか?」
「ま、まさお。ず、ズボン!ズボン!」
「あい?は、んぬぁ!!」
言われて視線を下にする、お兄ちゃんと私。すると、お兄ちゃんは何かを悟った様に、凄い遠くを見る目で呟いた。
「すまねぇお嬢ちゃん・・・・・お兄ちゃんの魔法も・・・・解けちまったみたいだ・・・・。」
「きゃあアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
下半身が丸出しのお兄ちゃんを前に、私はまた悲鳴を上げた。そしてその瞬間、全身から力が抜けてまた意識を失ったの。




