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崩壊するドグマとまさおの日常  作者: 和泉書房
秋のこと・一夜明けて
36/41

風景36

「いいか、友達が間違った道に進もうとしている時に、それを止めるのが本当の友達ってもんだ。」

 昔小学校の先生がそう言ってたな。小6のころだったか、多分その時先生が言ったのは、成長すると周りに悪さをするやつも出てくるから、それを止めるような人間になれということで、ホームルームの時間に話す道徳っぽい話の一つだったかと思う。

 残念ながら俺はその先生のおしえを守れそうに無いようだ。親友が年端もいかない少女にタックル&テイクダウン&正拳突きをしている。まずい、迷惑防止条例とかでつかまっちてしまう。縛られた手がどんなに頑張ってもほどけず、俺は傍観するしかない。

 ざっくり目の前で起こっていることを説明すると、“ハロウィンのコスプレ少女を高校の友達がマウントポジションでタコ殴りにしている。”意味不明だろね。自分でも、何を言っているのか判らないよ。

「緒方何やってんだ。ロープほどけよ!女の子良いからほどけよ!とっとと逃げないと!」

 駄目だ聞こえて無い。しかし、普段静かな緒方の目が何故か戦闘モードになっている。以前カラーギャング5人に絡まれて、まだその位では冷静だっただが、一人がホールディングナイフを出した瞬間に緒方は飛びかかり、残り四人も一分ともたずに病院送りだった。今まさにその時の目をしている。そもそも、自分からは人にまともに声もかけない奴が、どうして小学生の女の子相手にマジになって殴りかかるんだ?いや、今そんなことどうだっていい。どう転んだってもう駄目だ~。親友が小学生を撲殺しようととしている~。今俺たちパクられると、ネンショーか?ムショか?裁判とかあるのか?そういえば源内に至っては、何かの観察処分とかじゃなかったか?ええい、そんなこと今はどうでもいい。早くここから二人をつれて逃げないと。チキショー、どうして人は互いに傷付けずにはいられないんだ!俺は自分の無力さに苛立つのみであった。

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