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崩壊するドグマとまさおの日常  作者: 和泉書房
秋のこと・一夜明けて
34/41

風景34

「大丈夫だよ!ユニちゃん置いて逃げたりなんかしないよ! ラプリート・ピッチー!」

 そう言って私はユニちゃんの怪我を治してあげたの!

「楽になったポ。」

 さあ、エムリスさんも治してあげなきゃっ。


 て、また誰か来たぁ!


 友達なのかな。また新しいお兄さんが間の抜けた声を上げながらやって来たよ!

「緒方~待ってたぞ。早くほどいてくれ~。性癖の扉が変な方向に開く前にほどいてくれ~。あ、もうその辺の女の子とか、犬とかちょっかい出さないで良いからね!」

 新しく来たお兄さん、今までの人より背が高いし、何か筋肉モリモリで強そう。エムリスさんもユニちゃんも怪我してるし・・・。私、人を傷つける魔法なんてできないよ・・・。人を傷つけたくないし、もう人が傷つくところなんて見たくないよ!


 一体どうすれば良いの!!


 ・・・・あ、そうだ!


「エリス・トゥール・ドゥ・マギー!“ミリオネティック・シネマティカ!”」

 折られたステッキを手にとってそう唱えると、オレンジ色の小さな光の粒が出て、今来たお兄さんに向けて飛んでいったの。

「ぐわぁぁぁああああ!」

「どーしたー!緒方ー!」

 よしかかったわね! 

「エリー、ナイスなんだポー!この魔法をかけられた人は、その人が一番怖いと思う物にエリーが化けて見えるんだポー。」

 そう、お兄さんには今の私がお化けか、怪物とかに見えちゃってるハズ。私が危険な目にあった時のためにって、ユニちゃんが教えてくれた魔法だよ!ハロウィンの夜の公園ではショックで頭が回らなかったけど、今度は出来たもんね!ちょっと可愛そうだけど、これでこのお兄さんたちもきっと逃げ出してくれるわ。さぁ、そのうちに私たちもここから逃げなきゃって・・・アレ?



「緒方ぁー。ボーッとするなー。うごけー。」



 ・・・今来た大きなお兄さん何か固まっちゃった。


 怖くて動けないのかな?


 そんなに怖い物って一体この人は何を見てるの?


「フッフッフッ。俺もまだまだだなぁ・・・。」


 え?固まってたと思ったら、お兄さん急に笑いだした?どういうことなの?





「・・・よし!・・・おうし!・・・手合わせ願うぜアイアン!」






 え?





「何、俺が震えてるじゃないかって?ああ、正直ビビってるが、もう半分は期待と興奮の武者震いだ。久しぶりだが一丁やってやる。」




 え?


 え?


 怖くないの?


というか、お兄さん何で近づいてくるの?

どうして逃げてくれないの?

こ、こっち来ないでよ!

お兄さん、やめて!

ちょっ痛い!蹴らないで!


痛い!


イタい!


ヤメテ!


ヤメテ、ローキックばっかり!


イテ!


ヤメ!


オイ!


ヤメロ!



ヤメいコラ!!!!!!



オイ、ヤメロっつってんだろコラ!!!!!!!




テメエ、マジでブッ殺すゾ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

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