風景34
「大丈夫だよ!ユニちゃん置いて逃げたりなんかしないよ! ラプリート・ピッチー!」
そう言って私はユニちゃんの怪我を治してあげたの!
「楽になったポ。」
さあ、エムリスさんも治してあげなきゃっ。
て、また誰か来たぁ!
友達なのかな。また新しいお兄さんが間の抜けた声を上げながらやって来たよ!
「緒方~待ってたぞ。早くほどいてくれ~。性癖の扉が変な方向に開く前にほどいてくれ~。あ、もうその辺の女の子とか、犬とかちょっかい出さないで良いからね!」
新しく来たお兄さん、今までの人より背が高いし、何か筋肉モリモリで強そう。エムリスさんもユニちゃんも怪我してるし・・・。私、人を傷つける魔法なんてできないよ・・・。人を傷つけたくないし、もう人が傷つくところなんて見たくないよ!
一体どうすれば良いの!!
・・・・あ、そうだ!
「エリス・トゥール・ドゥ・マギー!“ミリオネティック・シネマティカ!”」
折られたステッキを手にとってそう唱えると、オレンジ色の小さな光の粒が出て、今来たお兄さんに向けて飛んでいったの。
「ぐわぁぁぁああああ!」
「どーしたー!緒方ー!」
よしかかったわね!
「エリー、ナイスなんだポー!この魔法をかけられた人は、その人が一番怖いと思う物にエリーが化けて見えるんだポー。」
そう、お兄さんには今の私がお化けか、怪物とかに見えちゃってるハズ。私が危険な目にあった時のためにって、ユニちゃんが教えてくれた魔法だよ!ハロウィンの夜の公園ではショックで頭が回らなかったけど、今度は出来たもんね!ちょっと可愛そうだけど、これでこのお兄さんたちもきっと逃げ出してくれるわ。さぁ、そのうちに私たちもここから逃げなきゃって・・・アレ?
「緒方ぁー。ボーッとするなー。うごけー。」
・・・今来た大きなお兄さん何か固まっちゃった。
怖くて動けないのかな?
そんなに怖い物って一体この人は何を見てるの?
「フッフッフッ。俺もまだまだだなぁ・・・。」
え?固まってたと思ったら、お兄さん急に笑いだした?どういうことなの?
「・・・よし!・・・おうし!・・・手合わせ願うぜアイアン!」
え?
「何、俺が震えてるじゃないかって?ああ、正直ビビってるが、もう半分は期待と興奮の武者震いだ。久しぶりだが一丁やってやる。」
え?
え?
怖くないの?
というか、お兄さん何で近づいてくるの?
どうして逃げてくれないの?
こ、こっち来ないでよ!
お兄さん、やめて!
ちょっ痛い!蹴らないで!
痛い!
イタい!
ヤメテ!
ヤメテ、ローキックばっかり!
イテ!
ヤメ!
オイ!
ヤメロ!
ヤメいコラ!!!!!!
オイ、ヤメロっつってんだろコラ!!!!!!!
テメエ、マジでブッ殺すゾ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!




