風景29
一晩明けて、次の日の夕方、私とユニちゃんは、学校のベランダでボーッとしてた。ううん、何も考えられなかったってのが本当のところだった。
「そうか、帰っちゃうんだ。」
「うん。姫様から連絡があってね、両親の王様と女王様に正直にお話したんだって。それでいよいよ今朝、女王様の使いの人がこの町にやって来て、それで逃げてた一枚のカードを見つけて捕まえたんだって。ポクたちが、マジカルエリーがやることはもうなくなっちゃったんだポ。だから、帰らなくちゃなんだポ。」
「そうなんだ。」
「本当に悪いことしたんだポ。恐い思いさせてゴメンなんだポ。」
「ううん。いいんだよ。昨日はちょっと凄かったけど。おかげてこの二、三ヶ月本当に楽しかったもん!」
「ところで、キョウカちゃん大丈夫かな?今日お休みしてるポ。」
「大丈夫、大丈夫。キョウカちゃんはびっくりするとすぐ倒れちゃうんだよ。遊園地のお化け屋敷に行った時も、次の日休んでたし。平気、平気。」
「そうか。それなら安心なんだポ。」
「あ、それよりも・・・。」
「どうしたんだポ?」
「魔法のステッキどっか行っちゃったままだね。あれも魔法の国の物だから、探さないとまずいんでしょ?」
「あ、それなら大丈夫なんだポ。どんなに離れてても昨日やったみたいに魔法で引き寄せられるんだポ。」
「あ、そうか。よし!じゃあ最後にステッキを引き寄せよう!」
そう言って学校の屋上に移った私たち。高いところの方が見つかりやすいしね!
「エリース・コスメデ・デコルテ・アン・ドゥ・トゥロワ!」
ステッキが無いと勝手が違うけど、気にせず変身。
「両手を前に出して、ステッキを引っ張るイメージを強く持つんだポ。」
「うん。よーし・・・・それ!」
私はいつも以上に集中してイメージした!しばらくすると、東の空にキラリと光る物が飛んでくるのが見えた!きっとあれだ!でも・・・これで魔法使い生活も終わりなんだね。・・・ユニちゃんともお別れなんだね。もう少し、もう少しこのままでいたかったな。でも、ユニちゃんも早くお姫様のところに帰してあげなきゃだし。きっと、これで、良いんだ。さぁ、ステッキよ早く私のもとにって・・・あれ?
「エリー!誰かステッキに掴まって飛んでくるんだポ!」




