風景16
「この花札みたいなトランプ誰のよ?」「知らん」「ウノじゃね?」「じゃあ、俺ルール分かんないし、いらないや。」各自勝手なことを言い、見覚えの無いそのデザインに首をかしげていると、次の瞬間何十枚もあるそのトランプが風も無いのに一斉に空に舞い上がった。するとどこからか「ハハハ、バカな人間だね。」「タロットカードも知らないの~。」「ちょっと脅かしてやろーよー」おうおうおう!何かすげえぞ、話し声が辺りから、いや、たぶんこのトランプからか?声が聞こえる。・・・様な気がする。「すげぇ、これはこれでヌーに出せる!」源内よ。それは難しいんじゃね?「誰だ?!何故かどこからか声が聞こえる?!このポスター?!アイアン・スペイシー?!貴様か?!貴様が俺の魂に語りかけているのか?!」緒方よ。そこでそうはならないはずだ。「コラー!ことごとく僕たちをバカにして!」「こうなったら魔法の国仕込みの嫌がらせで恐怖を味合わせてやろうぜ。皆。準備は良いか?」「「「おー!」」」そう言うと空飛ぶトランプ達は、何か知らんがワーっとこう、空中の一ヶ所に集まりだした。ア、こら何か必殺技的なものが来るんじゃないですか?と、低学歴な我々でもさすがに予想出来る展開なんだが、この時どこからともなく強烈な香りが辺りに一面に漂ってきた。「フフフ、愚かな地上の人間ども。喰らえ、ザ・タロットマジック!グランドイりゅ」「ちょっとまって!ハングマン!皆の様子が!」うーん、説明すると、リーダーっぽいトランプが、必殺技っぽいものを出そうとしたら、ナンバー2っぽいトランプに、止められたっぽい。うん、たぶんそんな感じだと思う。まあこういう時ってテンション下がるよね、わかるわかる。なんか同情するわ。「皆の様子が変よ!」「何だこの香りは!ち、力が入らない!」「ま、魔力が維持できない~。」「目がふらふらしてきた~。」「なんか、気持ち良くなってきた~。」そう言ってトランプが一枚、また一枚、ハラリハラリと絶賛炎上中の畑に落ちて行く。彼ら?は紙で出来てるので、当然燃える。すこぶる燃える。「うゎぁああああ!」「じ、死ぬうぅぅぅぅ!」「ぎゃあああ!」「あづぃぃぃぃ!」「人間めぇぇぇぇ!」目を閉じて、耳を澄ませば地獄絵図。何とも理解しがたい、実に不思議な体験である。にしてもさっきからこの変なにおいは何だ?「あ、ごめん言い忘れてた。畑に生えてた実やら葉っぱの残りを焼いてるから、神経性のよろしくない化合物が蒸発し始めてるのね。つまり、早くここから離れないと、みんな神経やられてラリってハイになっちゃうのよ。」うむ、ハッシュよもう少し早く言って欲しかった。「後、さっき撒いてもらったガソリンだけど結構な量撒いたから、じきにここも火がまわるね。」うむ、ハッシュよそれももう少し早く言って欲しかった。「とっとと退散するべ。」そう言って四人全員軽トラに乗り込むとスタコラさっさと山道を下山するのであった。あれ、何かあのトランプは結局どうなったんだっけ?全部燃えちまったのかな?今になって必殺技とか少し気になるぞ?まあ、いいや。「あれ?思ってたより、火の回りが広いな。」ふとハッシュが気づく。確かにプレハブ、畑はもとより山が丸ごと明るい様な気がする。「京都っぽい。京都っぽい。」源内がよく分からないことを言ってはしゃいでる。「うどん食ってかね?」緒方に至っては会話する気も無いらしい。




