風景15
ハッシュと源内のとらぬ人面犬の皮算用も早々に切り上げ、全員でひたすらに畑の草花を燃やしに燃やす。その間、緒方がふもとからガソリンを次々と運んでくる。夕方頃には畑もプレハブの部室の中もすっかり綺麗になった。まったく暑いしくたびれた。俺は部室の中の机の上にあった各人の私物と思われる物を抱えて外に持ってった。「ハッシュ、机の上に残ってた雑誌やら、ポスターやらがこれで。以上をもちまして部室は空っぽ。」「サンキューまさお。」
その頃には辺りは大分暗くなっていた。丁度、緒方が本日8度目のガソリン調達から戻ってきた。「お疲れ緒方。んじゃ暗くなってきたことだし、最後の仕上げ。悪いんだが皆でこれを畑と小屋の周りに撒いてくれ。」そう言われて皆でガソリンを撒いて火を着けた。プレハブ、畑とすぐに火が回った。今までのハッシュの努力が燃えていく。仕方ないこととは言え、悲しいなぁ。
さて、気を取り直して残った私物を前に、俺は一同を集めた。「んじゃ、みんな自分の物は持って帰ってね。えーと、まずこのスタンガンは?」「あ、俺」源内が手を挙げる。「探してたんだ。良かった、これで夜変な人に会っても安心。」「でー、えっと、後このマッチョなボクサーのポスター誰のよ?普通ここは、セクシーな女のポスターとかだろ?」おもむろに今度は緒方が手を挙げる。「あーアイアン・スペイシーは俺のな。ちなみにボクサーではなく総合格闘家だ。」「どうでも良いわ。つか、これ部屋に貼るの?目の保養?。」「そういうのではない。これは俺が恐れ、越えるべき存在。」「うん、やっぱりどうでも良いわ。で、えーと最後にこのどぶろくの入った壺は誰のよ?あ、何か蓋のとこに名前が書いてある。“MASA 2015”あ、ごめんこれ俺が二年前に詰めたのだ。」とまぁそんなこんなでおおよそ片付いたと思ったら、あれ?何だ?この見覚えの無い一組のトランプは。




