風景14
さて、俺もプレハブで出来た部室小屋の片付けを急ごう。なるほど難しそうな本が一杯だ。なになに、“アルカロイド精製における~”。・・・ふ~ん。“アンフェタミン抽出のための~”・・・駄目だ。どれも難しくて高そうな本に見える。区別がつかねぇ。「ハッシュ~。ここらへんの本とかどうするの?」「あ~。もう中の本とか書類も全部燃やして。」「わかった。」ということで俺は小屋の中の紙という紙を抱えれるだけ抱えて、外のドラム缶の中に放り込むことにした。
そうこうしていると、ハッシュが小屋の裏にある畑から大量の花や草を刈って持ってきた。「え、裏の畑も無くしちゃうの?」「もちろん。というか奴らの狙いは畑だ。」そう、このプレハブ小屋の裏にはハッシュが丹精込めて作った畑があってそこで大量の花やら、何かの植物を育てていた。きっと人々の心の潤いのためだろう。それまでも燃やしてしまうとは、中々の決意と覚悟である。じゃあ仕方ない。「なるほど。それなら燃やそう。」「あ、その前に、ゴーグルとマスク、手袋着用な。煙は吸うなよ。」という事で、何かよく分からん格好になって、裏の畑の植物と研究資料を、ひたすら燃やすことにした。
それから燃やしに燃やして、プレハブ小屋の中も、周りも、昼過ぎにはそこそこ綺麗になってきたと思う。ちょうどその頃ふもとから源内が帰って来た「ハッシュ、図書館裏の地下室に道具は運んでおいたぜ。」「サンキュー源内」「しかし、あの部屋だけは何度入っても気味が悪いね。あの、ホルマリン漬けと大量の動物。」「実験素体の保管所だからね。なかなか手に入らないものも飼ってるし。」「ま、だから人面犬も預かってもらってるんだが。」「鍵はかけてきたか?。」「もちろん。今日は小学生の集団が図書館の周りをうろうろしてたが一部始終見られては無いはずだ。でー、それはさておき一応考えたのよ、人面犬のプロモーションプラン。“ヌー”って雑誌有るじゃん。UFOとか雪男とか載せてるやつ。あそこにまず写真を送ると。で、適当に騒いでくれるはずなのよ。その後にネットに犬が喋ってる動画だけ上げてアフィで稼ぐ。」「ふむ。」「で、ピカキンが食いつくはずだから、最後に本人に売ると。」「なるほど。あの人金は持ってるからね。」「二百万は固いかな~。」
なお、ハッシュの地下室が何者かに荒らされたのはこの後すぐのことだったらしく、結局俺たちはその人面犬とやらにはお目にかかれず終いになってしまった。別に期待していた訳ではないが。まあ、見れないとなるとかえって気にはなるもんだね。




