風景1
知らない町を訪ねて、あれこれ話すのが好きっていう友達がいましてね。彼と行くとまあ、色々楽しいんですよ。話すっていっても大したことじゃないですよ。やれここの町の殿様は明治維新の時に幕府方に着いたから明治政府から予算が貰えず、その時代の建物が無いだとか、地元の政治家がたまたま力が有ったから、大して大きい町でもないのに新幹線が止まるだとか。本当にどうでも良いことを喋るんです。
そんな彼と行った町の中の一つで、いまだに覚えている町がありましてね。その町を見てみると、まず電車の線路が南北に走ってる。町が真っ二つになってるわけ。で、友達が言うんですよ「こりゃ、住んでる人大変だなぁ」と。で私聞きましたよ「大変って何が?」って。「いや、見てみろよ。線路の東側と西側でビルの汚れ具合がえらい違うだろ?西が綺麗な割には、東が汚すぎる。」言われてみれば確かにそうなんですね。東の方が全体的にどんよりしてる。逆に西側は綺麗なもんなんです。いや、東西おんなじくらいに町は栄えてると思うんですがね、何か違うんですよ。
そんなことをね町が一望できる山の上の高台で話してた訳です。ま、ホントにしょうもない話ですね。