【私たちは調査を開始しました。
【私たちは調査を開始しました。残された映像を解析したところ、異形の動物は放射能によって変化した地球の生物、魔王、姫となのる男女は放射能の中で生き延びた人間であるという結論に達しました。我々は生物を『魔物』と名付けました】
「話が飛躍してるな。正直ついていけない」
「わたしも・・・」
【調査員ではなく、戦闘用にカスタマイズしたAI搭載、水陸両用の無人戦闘機を派遣し、魔物の生態と地球の調査を試みました。まず、驚くことに放射線濃度は全く変わっておらず、それどころか、増えてさえいたのです。さらに驚くべきことに地球に生息する生物は大気中の放射能をエネルギーに変換して様々な現象を引き起こすことができるようになっていたのです。戦闘機の銃弾をもろともしない生物たち、そして、戦闘機を簡単に破壊する力と知能。人類は恐れました。いつか帰れるはずの地球に帰れない事実におびえ、研究を開始しました。いくつもの小型カメラを配置、放射能に適合した生物同士の攻撃は対象を死に至らしめることを発見しました。しかし、小型カメラが集中して破壊されたことから、知能を持つ可能性が濃厚になりました。人類は放射線を発する戦闘機を制作。魔物を破壊することに成功しました。魔物の死体を調べてみるとBDコネクタとBDカードが発見されました。このことから、魔王と名乗る男性、もしくは、姫となのる女性が制作、魔物に埋め込んだのだという結論に達しました。我々は魔王に接触を図りました。そして、地球の返還を要求しました。しかし、彼らは地球の返還を拒否しました。度重なる戦闘機の派遣も、あえなく失敗。増えすぎた魔物たちを破壊することは困難。そこで新たなる段階に移行しました。それが放射能に適合できる人類を生み出すこと。しかし、適性を持つ人類はいませんでした。そこでかつての禁じられた研究を再開することが決定されました。それが人類をよみがえらせる計画です】
「どういうことだ?人類をよみがえらせる?」
【とある研究者が完成させた理論です。MM細胞という、情報をもとに増殖し、形を成す万能細胞。闇に葬られたものでしたが、これを利用し、かつての人類の情報から適合者をよみがえらせることにしたのです】
「情報?そんなものどうやって」
【これを過去の人類に説明するのは難しいのですが簡単に説明しますと、魂というものは実在します。これは5次元の世界に存在して、過去の記憶、情報を保存しているいわばメモリーのようなものであったのです】