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逃避行

作者: 柳葉魚太郎

 人間、なんで生きてるんでしょうかね。生きるって何でしょうかね。生活することですかね。生活することって何でしょうかね。食べること?寝ること?セックスすること?難しいことはわかりません。でも、生きるっていうのは、たぶんさっき言ったように、三大欲求を貪っているのじゃないと思います。

 生きるっていうのは、考えることだと僕は思っています。動物はどうなのかって?そんなの決まってる。あんなのは生きていません。死んでいないだけです。僕も犬や猫は可愛いと思いますよ。けれど、あれは生きていない。動くぬいぐるみみたいなもんです。それこそ、命を失わないということが生きているということなら、動物にだって、なんなら虫だってやっている。人間が生み出した「生きる」という概念は、動いていればいいなんてものではない。

 生きることは考えることなのです。偉い人は言いました。人間は考える葦である。人間なんて考えなければ葦でしかないのです。考えるってことは、本当に怖いです。将来にある「死」という絶対に逃れられない恐怖に、人間はいつでもそれが目前に迫っているかのように考えることができる。その度に恐怖を感じる。僕は「死」が怖くて考えるのを止めてしまった。ご飯を食べ、よく寝て、セックスするだけである。僕は生きることを辞めてしまった。


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