少年
王様の御触書・冬の女王と春の女王を交代させた者には、褒美をとらせるというものが町の広場に出され、何人かの人々が塔を登り、冬の女王に説得を試みた。冬の女王は、春、夏、秋の女王達と相談してみると返答するだけで、塔から出ようとはしなかった。
1人の暴走族に憧れながらも、バイクが好きな少年がいた。少年はバイトをしてお金を貯め、念願のバイクを購入した。自分もいつかは暴走族の仲間に入れてもらおうと思っているのだが、いつまで経っても冬が終わらないため、憧れの暴走族は現れない。
ある冬の寒い夜、少年は夜中に思いきってバイクに乗り、町に繰り出した。ものすごい暴走音を奏でて、町の道という道を走り回った。
その音を聞いた魔王は驚き、夜中に襲おうとした家を諦めて、部下達を引き連れて、急いで最近買ったマンションに引き返した。
冬の女王は、その暴走音で目が覚めて、とうとう冬にも暴走族が走り始めたかと嘆いた。
イカサマばかりしていたカジノでは、その日は誰もが勝って、笑顔で店をあとにした。カジノで大勝した客達は、久しぶりに上手い物を食べようと、飲食店や居酒屋に繰り出し、久々に人で町が賑わった。
酔っぱらって好き放題暴れたり、強盗に押し入ったりしていた魔物達は、暴走音で震え上がり、そそくさと自分の家に帰って行った。
少年は町を何周もして、夜中の3時に帰宅した。




