表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冬の暴走族  作者: 明日こそはシンデレラ
1/4

長い冬 到来

男は冬になると、山奥の工場にこもり、舞茸を作り始める。男が作る舞茸は、肉厚が分厚くて薫りが強く、食べるとかなり美味しい。

しかし、この国では春、夏、秋は気温が高いため、工場の空調設備を要しても舞茸のできが悪く、男が納得する舞茸を作ることはできなかった。しかし、冬だけは、男が納得する理想の舞茸を作ることができた。舞茸にとって、気候的に、この国では冬が合っていたようだ。だから、男は冬だけ舞茸を作ることにした。



男は、冬に舞茸でがっぽり稼いで、春、夏、秋は暇をもて余していた。昼間寝て、夜起きてという夜型人間となり、夜になるとバイクに乗って1人、外に出かけるようになった。男は舞茸作りだけでなく、腕っぷしも強くて、やがて、そんな男に憧れる何人かの男達が現れ、連れ添うように一緒にバイクで走るようになった。そして、男はいつの間にか、30人余りを率いる暴走族のヘッドになっていた。


ヘッドとなった男は、夜中に仲間達と町を暴走しては、酔っぱらって暴れているサイクロプス達とケンカをしたり、カジノで負け続けると大暴れした。


春、夏、秋、冬の女王達は、暴走族の暴走音が大嫌いだった。女王達が町中の中心にある塔で寝ていると、いつも夜中に暴走族の暴走音で起きてしまい、寝不足の毎日が続く。そこで、季節を冬だけにしようということになり、冬の女王だけが、いつまでも塔に滞在することになった。


これで町が静かになると思われたが、今度は、夜中になると町で酔っぱらって暴れる魔物が増え、平穏が保たれるようになったカジノでは、ギャンブル依存症になる人々が増え始めた。


暴走族を恐れて、冬だけ町で停滞していた魔王は、いつまでも続く冬に安堵し、夜中になると魔物の部下達を何人か引き連れて、金持ちの家を襲うようになった。


この町では、警察がうまく機能していなかったし、男ほど腕っぷしの強い者が、警察にも何処にもいなかった。


人々は魔王を恐れて、かと言って行く宛も金も無く、この魔物達で溢れ返った町でひっそりと暮らしていたが、季節が冬だけなので年収が落ち、生活は荒んだものとなった。


そして、金が尽きると自殺をする者が増え始めた。


このとき人々は、まさか暴走族が町の治安に貢献しているとは誰も思わなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ