私、襲われました。
翌日、めぐの家に行ってから登校しようと思ったがまだ体調が優れないらしく休むとのことだった。心配だったけど、遅刻しそうだったから急いで登校する。
「ということがあったんだけど、唯ちゃんどう思う?」
その日の昼休み、弁当を食べるときに唯ちゃんに昨日のことを相談してみた。
すると、急に真剣な顔をして「世の中には知ってはいけないこともある。めぐちゃんはきっと気付いてしまった。それのことは早く忘れて、もし見かけても見ちゃだめだよ」ってあまりにも真剣に言うものだから思わず笑っちゃったけど、考えすぎるのもよくないと思ってなるべく意識しないようにすることにした。
「起立。礼」
『ありがとうございましたー』
今日はめぐが休みだから1人だ。部活はやってないのかって声が聞こえてきそうだけど、私だってさぼっているわけじゃない。テストが近いため、部活が一時的に休みになっている。
それにしても、めぐ大丈夫かな。昨日はすごく顔色が悪かったけど
そんな風に考えながら歩いていると昨日の場所まで来た。
なんとなく田んぼの方をみやると、そこに居た。白い何かの姿が。
頭が真っ白になり、何かに頭の中をかき乱されているような感覚に襲われる。
あぁ、呼んでる。めぐ……今、そっちにいくよ。
その時首筋に衝撃を感じ、意識を刈り取られた。
う……、眩しい。
どれくらい気絶していたのだろう。
「……! 彩夏。よかった、間に合って」
「唯ちゃん? どうし……それ、何?」
目が覚めると、人型のような白い何かが縛りあげられた状態で転がっていた。
「こいつはくねくね。人型の妖怪で、認識した人を狂わせてくねくねにしてしまう。彩夏から聞いた場所の視察に来たら彩夏がいて、これが何かを理解しちゃってたみたいだから応急処置として気絶させた。」
「唯ちゃんサクッと怖いこと言うのやめよ?
と、ところでこいつどうしたの?」
「ん、今封印符を持ってないから拘束してる。帰ったら封印する。」
「あの、唯ちゃんって一体……」
「ん、そっか。彩夏、改めて自己紹介するね。私は「Metis」から派遣されたハンター椎木唯。私の仕事は、こいつみたいな妖怪を捕まえて、封印すること。」
「ハンター? 妖怪を捕まえて、封印?」
「彩夏、家においでよ。くねくねを封印するところ見せてあげる。
封印が完了すれば、めぐちゃんも元気になるはずだよ」
「……うん」
今、私の目の前で普通ならありえないことが起きている。
地面には魔法陣が描かれ、その中央で唯ちゃんが儀式をしてる。巫女さんのような服装に着替えた唯ちゃんからは何とも形容しがたい神々しさがあふれていた。
そして、唯ちゃんがくねくねと呼んでいたそれは、白い光となって短冊型の紙切れに吸い込まれて行く。
「封印完了。さて彩夏、めぐちゃんの様子を見にいこ」
「ちょ、まってよ唯ちゃん!
正座してたから、足がしびれてうまく歩けないの」
そういう私を唯ちゃんは、笑いながら急かす。
「早くめぐちゃんにあってあげよ。きっと状況がうまく把握できてないんじゃないかな」
そうして、私たちはめぐの家まで行った。
めぐはあの時の青ざめた顔が嘘のように元気そうな顔をしていた。
家に帰ってからはあまり覚えてないらしく、くねくねの話を聞いて戦慄していた。
「ねえ、唯ちゃん。今日はありがとう」
「ん、どういたしまして。」
「……唯ちゃんの仕事、手伝いたい。」
「ダメ。彩夏には危険すぎる。もし、今の生活が大切なら妖怪には関わらない方がいい。ここの脅威を取り除いたら私はMetisに帰らないといけないし、いつまでも守ってあげられない。何かあれば、神社の和尚さんに相談すれば解決してくれるから」
「それでも……!」
「絶対にダメ。彩夏はこっちで初めてできた友だち。
危険なことには関わって欲しくない。」
納得できなかった。でも、唯ちゃんの気持ちは痛いほどわかった。
だから頷くしかできなかった。




