〈1〉プロローグ
これは、実際にあった話です。多少記憶違いな点もあるかも知れませんが。
登場人物の名前などは変えております。
何か感じてもらえたらうれしいです。
幼稚園って辞めさせられることがあるなんて思わなかった。
そもそも自分の子が発達障害だなんて思わなかった。
ちゃんと面接だって受けた。その上で入園したはずだった。
それなのに、面倒見きれないと言われて、辞めさせられたのだ。
12月の最後の学期末の時だ。夫と私、そして10月に生まれたばかりの娘を抱いて話し合った。
話し合ったというか、すでに向こうはやめてもらう気満々だったので、最終結果を聞くだけの状況。
念のため、児童相談員の人にも立ち会ってもらった。
児童相談員は2人で、女性と男性だ。女性の方は、「幼稚園を辞めさせられそうです」と相談したら、「それは、あなたに問題があるんじゃないですか?」と言われたことを私は今でも根に持っている。この女は私の態度が悪いからと初めての電話相談で判断したのだ。本当にそうだとしても気持ちのいいものではない。立ち合いしてもらったら、縁を切ろうと考え、今は全く連絡を取っていない。
男性の方は、相談したことがない。たぶん相談しても無意味になると思うからだ。彼は結婚もしてない。そんな人に理解できる相談はないのだ。案の定、単に聞くだけだった。二人ともあてにはならない。
それでも、第三者が入ってくれないと、言った言わないとなる可能性もあるので、保証人として必要だった。もしいなかったら、お金も返してもらえなかったかもしれない。
園長は「3月までなら見てあげます。」と上から目線で言ってきた。
「いえ、今日で辞めます。」辞めると解っているのに、3月まで通園するのは苦痛である。辞める理由だって、引っ越しならともかく、言いずらくて肩身が狭い。一つ上の娘は通園してもいいような事を言ってきたが、兄弟で別々の幼稚園に通うなんて面倒な事は出来ないし、変だろう?娘も辞めることにした。
すると、息子の方は幼稚園の都合で辞めさせることになるので、返金があるけれど、娘の方はそちらの都合だから返金しませんと言われた。なんだか私は納得できなかったが、夫はあっさり承諾しやがった。こいつも役に立たないと思った。2か月の娘がいるので自分がどうこう出来ず、黙っていた。ただただ悔しかった。園長も職員も全員、大嫌いになった。
「この子は、ろくな子にならないね!」
と園長が言ったのを今でも忘れない。いつか仕返ししたいと思うくらいだった。