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無題  作者: 冒険したい焼きもろこし
第一章/すべてはここから始まった。/
8/84

第五話/いよいよクライマックスだ。/

状況、変化なし。異常、あり。


今日も今日とて、まるで梅雨を引き伸ばしたような雨。

いつまでたっても状況は進展しない。

この変わらない状況にしびれを切らす摘斗さんら村の中心人物。辺りのオーラが変わるほど機嫌が悪い。

『降られたら降り返す?ちゃぶ台返しだ!』とかいってるし。


降雨の影響で、農作物に実害が広がり始めている。いつまでたっても晴れが来ないので、作物が植わったまま腐り始めそうらしい。大変だ。


え……?凶作…?飢饉…?



深刻な食料不足を配給制の開始で補っているものの、商店はみんなシャッター(木だけど)をおろし、村全体がいよいよおかしな空気になってきた。

この配給は他の村からの救援物資らしい。






時は流れて祠での祈祷式の日。


雨の降りしきるなか、村外れの祠に村人が集まった。

この祠は、床が地下深くへ掘ってあり、神の世界に続いているとされている、神聖な場所である。

晴れ乞いの第二弾。もちろん雨は今日も降り続いている。


祈祷師は、名を沖田といい、二足のわらじを履いている。

本当に二足はいているわけではなく、祈祷師と小説家を両方やっているらしい。どちらか片一方では生活が立ち行かないとか。

家は摘斗さんの隣。僕が居候している家の隣である。普段はボサボサの頭に浴衣という乱れた姿が多いのだが、今日は真っ白な着物だ。足元に泥跳ねがあるのがおしい。



やがて祠は、静寂に包まれた。

沖田さんが、お払い棒(?)を振り回して祈っている。

辺りには、静寂と雨の音だけ。




その神聖なる空気を破ったのは、祠の奥から響いた声であった。

「お、桜総(おうそう)卿様!お止めください!」

「私はいく。もやし、ついてこい!」

二人の男だ。

「ぎゃあああああ」

パニックになった沖田さんが叫び声をあげる。

「助けてえええええ」

「おちつけおつちけ」

摘斗さんが押さえているが…摘斗さんも慌てている。

「普通じゃないな、文字通り有難いな」

ちがうでしょうっ!

「いったい何が起きてるんじゃ?」

「わ、わかんないです!?」

「お、女子供は村にもどれ!」

途端に、上を下への大騒ぎになった。


「だ、誰かいるのか?」

そんな中、摘斗さんが覗くと…

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