第三十五話/刈ろう!ドスレベス!/
遅くなり申し訳ございません。スランプです。
ギルドを出たところで空に話しかけられた。
「…でさ、壮樹、今から何をするの?」
「…刈る。」
「何を?」
「…ドスレベス。」
「…むっちゃ心配そうな目を向けられたけど?」
そう言う空だって心配そうな目をしている。
「…いや、簡単だよ。空だってすぐできるさ。」
「…ほんと?ぼくでも狩れる?」
「ああ。」
「じゃ、まず、その…かめろんの森に行きますか。壮樹。」
「うん。」
「壮樹…かめろんの森ってどこ?」
「…あ。」
リンゴ売りのおばさんに、かめろんの森の位置を聞くことにした。
「かめろんの森ってどのへんですか?」
「あいよ、リンゴ一個な!」
「ちゃうちゃう。かめろんの森。」
「あんたねえ、情報には代金がいるんだよ。察しろよ、若い年して、もう。」
「…スミマセン。」
「…すぐ謝ったのはいいけど、気を付けるんだよ。」
「…ごめんなさい。スコップ売ってくれません?」
あえて新しい提案。
「リンゴじゃダメかいな…これでいい?」
ちょうどいい大きさのスコップをどこからか持ってきてくれた。地面から腰までぐらいの大きさ。
「…で、かめろんの森ってどのへんですか?」
「西の方、今田街道のほうだよ。」
「ありがとうございます。」
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┃かめろんの森┃
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かめろんの森の遊歩道の入口にきた。かめろんの森は、全体が安全のため高い柵で囲ってあり、入口は限定されている。
空が近づいていって、
「かめろんの森に入りたいです。」
入口の警備員にそう言う。
「はい。少々お待ちください。お二人ですよね?」
「Yeah.」
「なぜに英語!?…少々お待ちください。」
腰のポーチに引っ掛けてあった無線機を取って、
「Ah,ah,this is the eighth gate. Two man come into forest of cameron, Ok?」
「おk」
※日本語訳:あー、あー、こちら、八番ゲートでーす。二人の男が森に入りまーす。おkですかー?
「許可が降りたので、どうぞお入り下さい。くれぐれも無茶はしないように。夕方五時半の時点で戻らない人の捜索を致しますが、必ずしも見つかるわけではないので悪しからず。」
「ありがとうございます。」
「ここらへんかな。」
少し行った森のなかで空に向き直る。
「空、見てろよ、これがドスレベスの安全かつ確実な刈り方だぞ!」
空の手が額に触れた。
「…熱はないね。」
「…げほんげほん」
「…喉かぜ?」
「そう真面目に取り合うなよ…」
「…で、なんなの?それ。」
「それは!これだ!」
すっとしゃがむ。




