表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無題  作者: 冒険したい焼きもろこし
第三章/そうくるか!?/
32/84

第二十六話/王都中央国立国際卸売取引市場/

王都の中心地の病院で悲しくも入院していた僕は、国王陛下(15)とともに王都を散策するお運びとなった。


「空、おはよう」

「…うん」

「どうした空、元気ないな?」

「…朝は、低血圧だから、うん。」

「…お大事に」


要するに国王であるところの空と、二人きりで王都を回ることになった。

空は、王都に出るのすら初めてのようで、前日ごろから大はしゃぎだったらしい。


なぜ空に護衛がついていないかというと、この僕が護衛を兼ねているといった訳らしい。僕からすると、二人きりの方がいいのだが。


「…王都は朝から騒がしいね」

「…まあ、こんなものなんじゃないか?」

王都の少し北側にある、王都中央国立国際卸売取引市場。

全国各地や外国からの輸入品も含めた物、人、金が集まる、経済の中心だ。この卸売取引市場の周りはオフィスや金融の街であり、ビルが立ち並ぶ近代的町並みを呈している。


「ね、ねえ、朝ごはん食べた?」

と、空。

「いや、まだだよ。」

「…食べよ」

この区域は、新鮮な肉魚、野菜も多く出回っていて、飲食店のレベルが高い事でも知られている。

手近な定食屋の列に並ぶ。こういうのは、列が長い店ほど旨いものだ。

幸いにして数分で中に入れるようだ。


入った瞬間、奥から声が飛んでくる。

「へい、らっしゃい!」

空は肩をピクッと震わせると、その場に固まってしまった。

「…どうした?」

「いや、ビックリして…」

「さっさと席とろう、とられちゃう。」

「…そうしようか。」

ちょうど空いた二人分の席を確保する。

「壮樹、なに食べる?」

幸いお金はかなり持っているので、困ることはないだろう。

「…豚丼にしようかな。」

ここの店は、それなりに良心的なお値段だ。メニューを見る限り。

「じゃあ僕、親子丼で。」

「それでいいね?」

「別に。」



近くの店員を見つけて目を合わせ、手をあげる。

「へい!」

「親子丼と豚丼一つずつ」

「あいよ!」


「壮樹はなんでそんなに元気なの?」

「わからないよ、そんなこと。」

「…低血圧ってなおらないのかな…」

「…わかんないけど、祈ってるよ。」


「へい!親子丼と豚丼!」

「「…」」

デカイ。

直径20センチはあるどんぶり。それに山盛りになった食材。

「…いただきます」

「…食べようか。」

どちらがどちらだったか。


もそもそと親子丼を頬張る空を見ながら、豚丼を食べることにした。


旨い。


「…壮樹、」

「ん?」

「美味しい。」

「…確かに。」

「今日来て本当に良かった」

「こちらこそ。

「ん。」


旨い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ