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無題  作者: 冒険したい焼きもろこし
第三章/そうくるか!?/
31/84

第二十五話/国王陛下(?)/

「下にイーしーたにー」

「おまえは何をしているんだ」

ふざけている優樹の頭をはたいて、大部屋に入る。ここに、国王陛下がいらっしゃるようです。


跪いたまま、足音で国王が入ってきたのを感じる。


国王(?)が口を開いた。

「…上戸壮樹か?」

「はい。閣下。」

「あの戦いで決定打を放った壮樹か?」

「はい。閣下。」

「実力はどのくらいだ?」

「…ギルド発行のランクはあいにく取得しておりません。」

「年は?」

「…15です。閣下。」


数秒の後、国王の雰囲気が一気に砕けると、びっくりするようなことが起きた。

「同い年なのかー」

「…はい?」

「そうかそうか。やったぜ!」

「…?」

「あ、顔あげて!」

「…はい。」


ゆっくりと目線をあげると、

そこにいたのは、ほぼ同年代の男。かなりの色白。ちょっと弱々しい体つきで、黒い髪はかなり整えてある。

「…同い年…?」

「ああ。今年で15だ。よろしく!」

喜びを隠しきれないようで、口角が緩みっぱなしだ。

「…15で、国王?」

「いや、お父さんが隠居しちゃってな。皇位継承というお運びな訳だ。」

こいつも事情持ちか。

「お疲れさまです、閣下。」

「…閣下ってつけなくていいよ。」

「なんとお呼びすればよろしいですか?」

国王は躊躇いなく言い切った。

「空、でよろしく。あと、敬語は不要だよ」

「…わかったよ、空。」

彼は口元をにへら、と緩めて、こういった。

「…友達、だよ。」

「…ああ。」

彼は突然飛び上がった。

「ぃやったー!友達、できたー!ぃやっほおおぉい!」

「…はい?」

堰を切ったようにしゃべる空。

「初めての友達だから。僕、ずっと、ひとりぼっちだったから。」

「…」

「僕、君の事を知ってからずっと、友達になりたいって思ってたんだ!」

「ありがとう。こちらこそ、よろしく。」

「ありがとう!壮樹!」


そうか、おまえ、ぼっちだったのか。よくわかるよ、その気持ち。


「壮樹、今度、一緒に町へいかないか?」

「あ?うん、喜んで。」

「…いま、反応遅くなかった?」

「気のせい気のせい」

「あ、そっか、はははは!」


根は気さくな感じだ。この分だと、国王の職は辛すぎるんじゃないか?


「ねー、ねー、いつにするー?」

「いつでもいいよ。」

「そうだ、お友達紹介してよ!」

「あ、それは、町へいくときでいい?」

「別にいいよ。」

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