プロローグ2
戦闘です。
あ、ページめくらせた挙げ句にこれは酷いって?
想像の範疇だって?
みんな考えるって?
ごめんよ、ちょっとやってみたかったんだよ。
ここに、広辞苑で戦った一人の少年物語を、彼の視点でお送りしましょう。
いや、送ってもらいましょう。
主役は君だ。(びしっ
始まりは君が小学三年生のとき。君が、父親の書斎に入っていった時だ。
書斎の書棚の端に入っている、書斎で一番分厚い本を手に取った。
見るからに辞書だった。
手に取ったというよりは、床の上に引きずり出した方が近いか。
開いてみたものの、あまりにも情報が多く、大した気持ちも抱かないままに書棚のもとの位置に戻してしまった。
この運命の出会いが君の人生を変えることになるとはもちろん思いもせず。
君が自分の能力に目覚めたのは、中学一年生の時だった。
当時から辞書を使うスピードがとても速く、校内字引コンテストで優勝。
賞品は広辞苑一冊だった。
君と広辞苑は、運命の再会を果たしたのであった。(びしっ
君にはいつしか、広辞苑で困難に打ち勝つという発想がうまれた。(きりっ
え?動作がうるさいって?気にすんなよ。
あ、ごめんなさいやってみたかっただけです。そんな目で見ないでください。
げふんげふん。
でも、いったいいつから辞書で戦うという発想ができたのか、はっきりとは覚えていない。
ただ、武器としての利用方法を知っているだけである。
唐突だって?ごめんよ思い付かなかったんだ。
何はともあれ、君はいつの間にか辞書と共に生きる運命と定められたのである。
君はこの世界にやって来た。
辞書と共に戦う。
広辞苑で戦う。
この物語の主人公は、君だ。
さあ、行きたまえ。
もう物語は始まっている。
賽は投げられた。
あとは出た目を信じろ。
「広辞苑で戦う」の、君だけのストーリーを画こうではないか!
わたしは誰だって?いや、ただの案内人ですよ。
はっ、はっ、はー。
あ、いや、まあ。
ご、ごめんなさい許してください。
次から真面目にやりますからクビにしないでください~。