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無題  作者: 冒険したい焼きもろこし
第二章/オーズ!?/
18/84

第十四話/プレゼントと手紙/

「お?」

朝起きたら、枕元に何か置いてある。何だろうか。


新品の見慣れない帽子と…手紙?読んでみよう。

『そーきへ』

詩音ちゃんの字だ。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

『ソつもありがをう。わたし()ちからのプレゼソトだよ。』


思わず吹いてしまった。


…詩音ちゃん、平仮名と片仮名の練習から始めようか。

解読すると、

『いつもありがとう。わたしたちからのプレゼントだよ』

なのだが。


「い」と「ソ」はまだいいとしよう。

「ン」と「ソ」もまあ許容範囲。

「と」と「を」はちょっとわかりづらいぞ。

()」は普通の人には読めない。「た」だが。横棒が一本、明らかにおかしな位置にある。


朝食の席についた。ちゃぶ台を囲む。ひっくり返さないでね。


「…そーき…」

「…そうき?どうしちゃったの?」

「どうしたもこうしたも…」

絶賛頭を抱えている俺。

「詩音ちゃん、優樹君、あのね…傷つけるつもりはないのだが…壮樹はね、君たちの手紙の字にあきれているんだよ…」

土佐田さんの必死のフォロー。ありがとう。

そして項垂れる二人。

「…ごめんなさい…」


「…わたし…」

詩音ちゃん、何か思うところがあるようだ。

「詩音ちゃん?」

「…わたし、がんばってかいたのに…」

顔をあげずに言う詩音ちゃん。

「それは痛いぐらい伝わってくるんだけどさ…」

でも顔をあげない詩音ちゃん。

「…がんばったのに…がんばったのに…が、がんばっだのに…ううっ、ぐすっ、」

あ、これまずい。既視感。

「いや、別にそういう訳じゃないんだけど……わぁっ!」


いきなり、机の向こうに座っていた詩音ちゃんが机の上をジャンプして、こちらへ来た。

「ううぇーーん、ひぐっ、もう、もう、ぐすっ、そーきのばかあ、う、うわーん、えーん、」

胸のところに顔を埋めて泣き出してしまった。

「ご、ごめん、詩音ちゃん、あの、あっと、そ、そういうつもりは、全然、全くなかったんだ、うん。あ、あの、プレゼントと手紙、えっと、あの、本当にありがとう。」

頭を撫でながら、つっかえつっかえそう答えると、詩音ちゃんは涙と鼻水がついたまま聞き返してきた。

「ほ、ほんとうに、ぐすっ、そ、そうおもってる、の?」

すぐに声に力を込めて答えてあげる。

「そうだよ。さっきは本当にごめんね。」

「…そーき、の、ば、ばかあ!」

そういいながら再び泣きじゃくりつつ、ぽかぽかと殴り始めた。

いたくないけど。


気づいたら部屋には二人しかいなかった。


詩音ちゃんと優樹君いつあの帽子買ったのかな?

気になったけど敢えて気づかなかったことにして、聞くのは止めにした。





少し後。

「君たち、本物の兄弟かい?あんなにベタベタして。」

「と、土佐田さん!な、何言ってンですか!」

「…わすれて、おねがい…」

聞かれた瞬間に顔を真っ赤にした二人は、いつもよりずっと面白かったし、可愛かったという。




挿し絵切れてたり見れなかったりしたら、お手数ですが、感想か活動報告コメント、メッセージなどで教えてください。

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