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無題  作者: 冒険したい焼きもろこし
第二章/オーズ!?/
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第十話/ここからが本題だ/

さて、そろそろ動こう。

といっても何か始めるわけではない。

摘斗さんの後任は村のおじいさんが快く引き受けてくれたので、僕は別のことを始めることにした。それは、


商人。あきんどともいう。

この村は隣町が遠い。歩いて数時間かかる。

とても、スーパーに行くノリでは行けない。

そんな中、定期的に往復する人が居れば。


商人に優しい環境である。

僕はコミュ障ではない。いざとなれば広辞苑もある。

だからこの職を選ぶことにした。


「ちわーす」

「あ、壮樹くん、ご苦労さま。偉いわねえ。はい、じゃ、これお願いね。


「ちわーす」

「壮樹さんじゃないですか。これよろしく頼みます。」


このようにして村人から品物を集め、隣村へと持っていく。それから隣村で売り払い、その金で事前に各々申請してもらった品物を購入して戻ってくる。利益が残るようにうまく売るのも腕のみせどころだ。







荷車を引き、村を離れる。


道中には、モンスターが出ることも多々ある。

なんの対策もしないわけにはいかない。


対策法は、この前婚約したとかいう柿山さんの発案を採用している。


小さい辞典を投げつけ、空中で操る。

辞典を操る技は、まだ感覚的なものだが、そのうちはっきりとわかるだろう。

辞書とやたら相性がよいらしく、わりとすぐ習得できた。






町についた。


「こ、こんにちは…壮樹です…」

「あ、はいはい。コノミクンの骨、おいといて。」

「お、お値段は…」

「**でどうだ。文句あるか」

「そこをなんとかお願いできませんでしょうか。この辺りではとても希少なものでございます。」

「わかった。**にしてやる、文句あるか」

「本当にありがとうございます。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます」



「トクノロンは要りませんかー?食べてよし飲んでよし塗ってよし、最高級のトクノロン、野菜の神、トクノロン、要りませんかー」


「これください」

「**で」

「そこをなんとか」

「じゃあ**で。」

「じゃあもうひとおし」

「しゃあない、**で」

「ありがとうございます」








町での交渉はすんなり行え、もう帰路となった。

日はいつのまにか傾き、広い草原へと消えゆく。

空は見事な真っ赤に染まり、雲が薄くたなびいている。

ゴロゴロ、ゴロゴロ。



突然荷車の車輪の音の間から、なにか違ったものが聞こえた。

荷車を止めて、耳をすます。



「うえーん、ひっく、えぐっ、うーー、」

泣き声だ。しかも押し殺している。

よくよく聞いてみれば、どうやら左の方か。

左の茂みの奥を見てみる。背が高い草ばかりでよくわからないので、掻き分けてみると、そこには。


泣きじゃくる女の子が一人。



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