表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

虹色の神様

作者: 水無月 暦

結婚生活のアドバイスをくれる「虹色の神様」

ネットで噂になっていたこのサイトに私はアクセスした。


結婚してたったの5年。

私達夫婦の関係は冷え切っていた。

日に合わす顔は数分。

会話は月に数えるほど。

夜の生活なんてとんでもない。


とにかく本当に冷え切っていた。


私はさっそく神様にアドバイスを求めた。


「私は橙の神様、コミュニケーションを司る神です」


「まずは毎日コミュニケーションをとりましょう」


私は夫と毎日コミュニケーションをとるようにした。

しかし、結果はダメだった。


「仕事で疲れてるんだ、静かにしてくれ!」


夫との関係はさらに悪化した。

私はさらにアドバイスを求めた。


「私は赤の神様、情熱を司る神です」


「毎日愛してると伝えましょう」


私は夜討ち朝駆けで夫に毎日愛してると伝えた。

しかし、結果はダメだった。


「なんだいい年してみっともない!」


夫との関係はさらに悪化した。

私はさらにアドバイスを求めた。


「私は藍の神様、安らぎを司る神です」


「落ち着きのある生活にはアロマや音楽がいいでしょう」


私は部屋に落ち着いた音楽をかけ、ラベンダーのアロマを炊いて夫の帰りを待った。

しかし、結果はダメだった。


「臭いしうるさい、常識を考えろ!」


夫との関係はさらに悪化した。

私はさらにアドバイスを求めた。


「私は青の神様、変化を司る神です」


「夫婦のマンネリには普段とは変わったエロスが必要です」


私は普段はつけないようなエロイ下着をつけ化粧をし夫の帰りを待った。

しかし、結果はダメだった。


「なんだ、気でも違ったか!」


夫との関係はさらに悪化した。


そんな時に夫の浮気が発覚した。

相手は私より10歳も年下の女。


私はアドバイスを求めた。


「私は紫の神様、忍耐を司る神です」


「きっと旦那さまは一時の気の迷いで浮気をしています、ここは耐えましょう」


私はただひたすら夫を信じて帰りを待った。

しかし、結果はダメだった。


「今日も泊まりで帰らない」


夫は月に数日しか家に帰らなくなった。


私はさらにアドバイスを求めた。


「私は黄色の神様、眼識、洞察力を司る神です」


「証拠を集めましょう」


私はICレコーダーとデジカメを買い証拠を集めた。

あっという間に不貞の証拠は集まった。

しかし、結果はダメだった。


「浮気の証拠?嫌ならいつでも離婚してやるよ!」


夫は開き直り、家に帰らなくなった。


私はさらにアドバイスを求めた。


「私は緑の神様、無関心を司る神です」


「あなたにおくりたいものがあります、住所と名前を教えてください」


私は住所と名前をサイトに打ち込んだ。






翌日、玄関の呼び鈴が鳴った。

玄関には見知らぬスーツの男。

襟には天秤のバッチ。


「こんにちは、緑の神です。離婚調停なら私にお任せください」


「まずはこれからいきましょうか」


そう言って男は一枚の「緑のかみ」を手渡した。







天秤のバッチ=弁護士さん


緑色の紙=離婚届

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ