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恋物語十人十色。

○○サマの人間ゴッコ。

作者: 菜智

いつものように空は気分によって変わって、時間も同じように変化していくいつもの世界。

そして、俺の【仕事】もいつものように滞りなく進む。時間と共に。

「さて、と」

俺は通っている高校の屋上で一人、書類と睨めっこ。

「何でこんな長期間続くような仕事が来るか…全く。」

仕事内容は至極簡単。だが

「期間が長いっつーのは気に食わないな」

そんな事をぼやいていると、屋上と校舎とを繋ぐドアが開く音がした。一応、誰だろうと面倒そうに下を覗けば。

「…アイツ、俺のクラスのヤツ…だよな」

仕事の関係上、クラスのヤツは覚えていない…というか、覚えている必要が無いのだが。来たヤツは印象が強くて、良く覚えている。

「何でこんな所に」

さら、とした腰までなびく銀髪。目は黒と赤のオッドアイ。普通の黒いブレザーも映える。まるで

「お前はゲームのキャラかっつーの…」

「あ、居た!!」

そして、屋上のドアの屋根で寝ていたところを運悪く見つかってしまい俺の所までずかずかと登ってきた。

「なんだよ。今更」

「やっと、誰に言うべき事なのか、分かったから…貴方に一言言いたいの」

そう言うと、ソイツは俺に指さして。


「私は貴方を絶対に殺す。」


俺はどこでも聞いたセリフに溜息をついた。

「で?何処で聞いたんだ?俺が【死神サマ】だなんて」

「自分で調べました。」

「お前の事もよーく知ってる。黒目くろろめ美羽みうお前の兄の事も、な。絶対に不可能だと言われた学力を自分の力で成長させて、難関の国立大学に進学…しかも法学部ときた。そこで目覚しい活躍をした事も、勿論知っている。」

「……っだったら!!」

「何で兄貴を殺した、か?それが俺の【仕事】でもあったからな。それに、幾ら神に愛される程の運を持ち合わせていたとしても…死という絶対の運命からは逃れられない。お前の兄貴はその逃れられない運命が早くきただけのこと。」

「……っ!!」

「それに、たった一人の心情に流される程の心は【死神サマ】には無いからな。」

そんな泣きそうな顔をされても、微塵も心に刺さらない。そういう、心だから…だろうな

「さて、と」

俺は書類を空に放り投げた。書類は高く風にさらわれて空の蒼に消えていく。

「俺はクラスに戻る。お前はどうするんだ」

「どうするって……」

「俺を殺すんだろう?だったら常に、共に行動した方が効率的だと思うが」

「……貴方の考えに乗るのは釈ですが、いいでしょう。その行動はいつか貴方の身を滅ぼしますよ!!」

「はいはい」

美羽の言うことを聞き流しつつ、俺はさっきまで見ていた書類の内容を思い出す。



黒目くろろめ美羽みう

死亡まで、後一ヶ月。

死因:事故死。






それから、一ヶ月間俺とソイツはほぼ一緒に行動した。

俺はソイツの兄貴を殺した【死神サマ】なのに、俺に対してコロコロと表情を変えた。

泣いたり、笑ったり、怒ったり。

一度だけ本気で泣かれた時は、どうしようか、と有りもしない心で考えた。

俺が【死神サマ】は心が無い人形だ、と言った時。

「心はあるよ。誰にでも……」

「はっ、それが仮に本当だったとして…俺のような【死神サマ】にも適用されるとは思わないが」

「だったら、私の事なんていちいち気にかけない筈じゃない?」

泣きながらそう言われた。

そして、一ヶ月経った今。

俺は只、少し上から道路を見ている。

いつもの制服に片手には背丈よりも大きい黒ずんだ鎌を持って。

道路は騒然としていた。ぐしゃぐしゃになった軽自動車が二台。そして挟まれた少女。

一ヶ月間、一緒に居たソイツだった。

頭から血を流しながらも意識はあるようで、痛みに顔をしかめていた。

「…これが【死神サマ】の役目だから、な」

俺は大きく、ソイツに向かって鎌を振り下ろした。

鎌はソイツの体をすり抜けて切れる。その瞬間ソイツの顔は安らかな顔に変わった。

これでいい。これが、本来の【仕事】なのだから。

遂行までに時間は掛かったが、【仕事】はこれで終わる。

だったら

「誰か、教えてくれよ」

この痛い程に胸を締め付ける【コレ】の正体を。

この、鎌が酷く重たい理由ワケを。

この……涙の理由ワケを。


最初の部分を残して、自分の思うような結末を書いてみました。

色々すっ飛ばしてる気がしなくもないです…

連載もいいかなと考えていた作品なので、少し続くかなー……という事を意識してみました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 文章をもう少し多くして内容を増やした方がいいと思います。 今のままでは話が部分的に飛んでいるような感じですので、間のところを詳しく書いてみるともっとよくなるかもしれません。 ですが、内容はよ…
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