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萬のエロはしその香り   作者: 工口郷(こうこうごう)
第2章 初演
45/73

欲求と油汗と想いの中で(凸)

初演は続く・・・。

 里緒は白く小さな逆三角形の布に、全ての恥じらいの防御を託している。

 今、俺の欲求の8割強はそこに集約されている。


 俺の前に立ちはだかるその白い布、一見、薄く、もろく柔らかそうに見え、手触りも指にしっくりとムンムンするのだが、それが里緒の心にそびえる城壁であることは周知いている。見た目とは裏腹に難関であることは間違いない。


 果たして、俺はその白くムンムンとする壁を乗り越えられるだけの男なのだろうか?

 それとも、俺では役不足なのだろうか?

 

 これから、俺は自分の”全せい力”をかけて白壁の城、里緒の純白城に立ち向かうことにする。

 全せい力を掛けて・・・。


 いや、嘘でございます。全てはかけられませんでした。

 俺の”白いせい力”だけはかけられません。


 なぜならば、その”白い力”が映ることは、このAV界ではご法度はっととして位置付けられているからなのです。

 

 やはり8割強で止めとくとします・・・。


★☆ 第 37 話 ★☆

☆★欲求と脂汗と♂☆★

★☆♀想いの中で凸★☆


 湧水のように止めどなく湧き上がる唾液を、気づかれないように音も立てずに喉へと流し込んだ俺は、一連の流れの中で一番細く引き締まったクビレに両の手を伸ばすことに難なく成功を納めた。

 改めて女性のクビレの素晴らしさを認識してしまい目まいがしそうだ。


 今、俺の手のすぐ下方には、骨盤により悲壮に伸ばされた逆鈍角二等辺三角形の白色の布、別名パンティーが、里緒の恥じらいを隠す使命を全身全霊で堅持している。


 俺はその一杯に張り詰めた上端の開口部に向かい、クビレの曲線に沿って両の手を滑らせると、そのさらさらとした肌質が簡単に俺の人差し指の浸入を許してくれた。

 思わず頬を擦りつけたくなるが、内股に力を入れて懸命に堪える。今の目的はそこではない。


 更に俺は掌を一杯に広げ、包み込む様にゆっくりと下ろしていく。すると、直ぐに華奢きゃしゃな腰は、一転して弾けそうな肉感へと変わっていく。そこはケツだ。


 そうか、お尻ってこんなに冷たいんだ・・・。


 その肉感から勝手に温もりを連想していたが、それは勝手な妄想であり、現実はそうではなかった。気にして触ったことはないが自分のケツも冷たかった様な気もする。


 しかし、それでも俺の合理的思考は直ぐに順応し、驚きを楽しみながら俺は人差し指一本を更なる奥地へと滑り込ませる。すると、間もなく人差し指と中指の付け根、股の部分に布の柔らかさをを感じる。そこは最後のとりで、白い城壁だ。


 指の股でも股は股である。最終決戦、白い城壁への攻撃に向けて、血潮を踊らせる前戯としては充分な役目を果たしてくれる。俺の気持ちは高揚し、あらゆる箇所で過剰な鼓動を響かせ始め俺の下半身の決意は半分硬くなっている。


 ここから先に進むと、”里緒の楽園”と呼ばれる秘所が俺の目前に出現することになる。わずか5秒前に命名したばかりだが、そこは未知の草木が茂る楽園の丘が待っているに違いない。いや、草木が茂っているとは限らない。藻かもしれなければ、はげ山かもしれない。


 はげ山も、結構好きだ・・・。

 と、俺の好みを言ってみたりもするが、口には出さない。


 それに、何とも秘所も避暑も高地と言うのは奇遇で面白い。もちろん、それも口には出さない。


 と言うと、俺には余裕がありそうだが、実は一杯一杯だ。つまらない事ばかりがぐるぐると頭の中を巡っているだけなのだ。


 それにしても、里緒は今この時を俺に預けることに対し、何を思っているのだろうか?

 この裸に対して異常に開放的なAV界において、何故かそれを異様に躊躇う里緒だ。きっと、相当な覚悟を持って全てを託してくれているのであろうと思う。


 その相手が誰でもないこの俺なのだ。そう思うと、”心苦しい”と言いたいところだが、異様な興奮を覚えてしまうのが俺の性らしい。興奮が俺の血潮に加速を加え、一部位に集結すると、目一杯の膨張を引き起こさせる。そして、どうにも止められない欲求が目覚める。


 お早う!


 その目覚めが俺にパワーを与え、最後の砦へと進む勇気を与える。下だ、下へ進め!

 と。

 

 それいけ!!


 俺は落ち葉広いの名画の様に前屈姿勢へとなり、白い布と共に床に向けて手を下げようと・・・ところが・・・。


 んっ?


 あれ?


 下がらない。降りない。下げられない!


 その砦は、完璧なまでの白い城壁であったのだ。

 白く、もろく、薄い布として視界に映っていたことにより、俺に油断が生じてしまったのだ。その城壁には既に固い意思が添えられていたのだ。里緒の両手がしっかりと押さえているのである。


 しまった!


 下ばかり見ていて気付かなかった。

 俺の”脱がす”と言う行動は里緒の同意に基づいた行動では無かったのか・・・。


 強引にパンティーを下ろすこと等出来ない俺は我に返ってしまい、高ぶっていた欲求においとまを与え、この僅かな時間に起こした自分の行動を瞬時に振り返ってしまう。反省だ。


 もしかすると、俺の行動は先走った場違いな変態行為だったのではないのだろうか?

 セクシャルな何とかでは無かっただろうか?

 一瞬に吹き出す冷や汗を火の様に熱い顔に掛けて冷やしてしまいたい。

 は、恥ずかしい・・・。


 一気に奈落の底へと沈んで行くが、こんな時に俺には合理的な自己解釈、通称”弁解”が普段にない速度で次々に頭の中を駆け巡り出す。それは、俺だけでは無いだろう。


 そうだ、パンツを脱ぐこと等、普通の事ではないか。確かに脱がせているビデオは不思議なことに観たことはないが、真っはAVビデオの基本のはずだ。

 それにだ、何処まで脱ぐかの相談はしていない。俺が間違えて脱がせ過ぎてもそれはしかたのないことだ。俺のせいじゃない。更に・・・。


 もう、いい充分だ。

 どうせ誰にも言えない、自分を納得させるだけの弁解なのだ。これで充分だ。


 既に思考よりも先に反射的に俺の人差し指は白い城壁の中から退却し、前屈ぜんくつ仕掛けた腰は逃げるように伸びきって直立不動になっている。


 これって、視聴者にどの様に映っているのだろうか?

 馬鹿な奴とでも映っているのだろうか?


 え~い、これも弁解してしまおう。

 これも一つの演技と言うことにしてしまえばいい。

 全部故意にやったと思い込もう・・・。


 そんなコミカルな動きな俺に、里緒は一瞬、上目遣いで俺を睨んでいたが。その目付きは、本当に怒っているものではなく、悪戯に俺を虐めようとしている目つきであった。俺が一応、型どおりに


「ごめん」


 と謝罪を入れると、それとほぼ同時に里緒は微笑みながら未だ宙吊り状態のブラを自らの手で取り去り大きく投げ捨てた。

 ヒラリと空を舞う白いブラ。そして、体を俺に近づけて来る里緒。


 有ろうことか、その行動に面喰ってしまった俺は宙を舞うブラに気を取られてしまい、里緒はその間に俺に近づいてしまった。

 この選択ミスで俺は恐らく薄いピンクであろう”ビーチクン”と、500円玉より小さいであろう”ニューりんちゃん”を見損なってしまった。遅ればせながら、可能な限りの下目使いでそれを見ようとるが後の祭りである。見難いのは当然だ。


 出来れば、一歩下がり有効な視界を確保したいのだが、この行動は逐一”カメムシくん”と言うハイテクカメラが俺を自動撮影している。それに、何より里緒から前に進もうとする行為を、自分の視覚的欲求の為に後退するなど、里緒の行動に水を差してしまう事になってしまう。と言う位の判断は、欲求から目が覚めた俺には判断が付く。


 そんな一時の欲求よりも、今は演技を続けなけばならない。残り時間は少ない。もう無駄な時間は使えないのだ。

 しかしだ、パンティーに精力(勢力)を注いでいた俺には、急に里緒の意図が把握できない。この続きはどうしたらいいのだろうか?


 ・・・敢えてパンティーは脱がないと言うのは俺に何を要求しているのだ?

 代替はオッパイと言うことなのか?


 俺に”オッパイ”と言うエサだけをを与えたこの状態は、何のパスなのだろうか?

 

 里緒の顔には、完全に自分の意思が蘇ってる。

 この短い間に何が変わったというのだろうか、あれだけ弱気だった里緒にいつもの、いや、いつも以上の積極性が生まれている。


 一体、何があったというのだろうか?


 こうだから女は WHY?

 判らないがここは男として、折角立ち直った里緒に応えなければならない。里緒のデビュー作なのだ。


 だが、どうしたらいいのか・・・。


 これでは初めに打ち合わせした柔軟体操部の練習を生かせる流れではない。それに、残念ながらプライベートでのこの先の経験値が俺には全くない。アドリブが効かない。


 ここまで来てしまうと、良い作品と言うのは既に難しい。だけど、せめてそれなりの出来へと可能な限り近づけたい。遅いかもしれないが・・・。


 どうする、工口くぐち


 自分に問うたその瞬間、プレッシャーが身体に変化を与えた。そして、


 グググ・・・。

 警報、いや、お腹が鳴る。腹痛が起こり始める。

 冷や汗の気化熱がお腹を冷やしてしまったのも後押ししているかもしれない。

 

 まずい・・・、3度目の腹痛が起こってしまった!危機だ!


 俺の人生の統計上、3度目の腸内発酵は我慢で納まらないことは間違い無い事実だ。

 今の俺はいつ爆発するか解らない爆弾を抱えているのと同じである。これ以上プレッシャーを感じてしまうと、恐らく直ぐにでも噴射してまうだろう。


 確か、この汚物噴射は白濁放射とは違いご法度では無かったが、人間のモラルとして許されない。もちろん、俺もそんな姿を見られたい訳がない。それに、これからの里緒の女優人生の汚点となってしまうかもしれない。


 こうなったら、ヤケクソだ!焼けばクソだって少しは硬くなるだろう。

 よし、我慢が効くまで、触れたい様に触れてやろう。そして、抱いてやろう!


 とは言うものの、気の弱い俺はカメラの前であからさまにオッパイを揉むのは抵抗があるので、俺は胸で里緒の胸の感触を味わうことを代替とした。


 俺は若干震える手つきで里緒の背中に手を回し、自分の胸に引き寄せる。

 ・・・はずであったが、

 

 うっ!ピクン!


 予想外の出来事が起こってしまい、反射的に俺は腰を引いてしまう。


 気持ちいい・・・!


 妙な電気が俺の脳に刺激を与える。

 腹痛の中でもその気持ち良さは、雑草の中の一輪の”エロの花”の如く光輝いた・・・。


 <つづく>


大変遅くなりました。

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