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萬のエロはしその香り   作者: 工口郷(こうこうごう)
第2章 初演
42/73

女 優

工口くぐちは、学校を出て、里緒の待つ自分のアパートへと急いだ。

AV撮影を行う為に・・・。

£――――



 よ・ろ・ず?


 えっ!いま、”よろず”って言ったの?


 うそ、うそ”(よろず)”って、お母さんの女優名といっしょ・・・


 何で、何でお母さんと同じ名前を?


 その名前をどうして?

 どうして、使おうとしたの・・・。

 

 お母さん・・・。


 お母さん、今どうしているんだろう。


 私をおいて何処に行っちゃたの。


 ・・・・・・。 



 私の母の女優名は”萬香出(よろずかおで)”と言う。

 その苗字に当たる”萬”は母の”家号(かごう)”で、香出は本名である。

 最近こそ少なくなって来たが、少し前までは通常俳優名の苗字には”家号”を付けるのが一般的であったのだ。

 家号とはその一族が俳優名や、商業上の名前として引き継がれて来た一族の称号である。


 母の“よろず”と言う家号はとっても珍しい家号であった。私は今まで同じ家号を聞いたことがない。

 それなのに、彼は何故その名を口にしたのだろう?


 お母さんのこと、何か知っているのだろうか?


 いや、知っている訳が・・・、あるはずがない・・・。

 彼は異世界からスカウトされて来たばかりなのだから。


 なのに、なのに何故・・・偶然?


 ・・・・・・。


 

 わたしは、私は動揺をしてしまい、自分を見失ってしまった。

 たった今決心していたことも、いつもの強がることさえも全て何処かに飛んで行ってしまった。

 これから、AV女優としての初演を目前にして・・・。


 ずっと、夢を見てきたAV女優であるのに・・・。


 折角、恥ずかしさを抑えて、決心したのに・・・。


・・・・・・。



 私は、昨日の“お願いします”で相方が決まってから、いざAVビデオを投稿出切ることが決まってから、悩み続けていた。

 そんなに悩むとは自分でも思ってもいなかった。


 ずっと、夢見て来たことなのだ。恥ずかしくても結構簡単に割り切れると甘く考えていた。しかし、それは私にとって、そんなに簡単に割り切れることではなかった。

 見ず知らずの人、友達、先生、お祖父ちゃんに私の体を見せる。体の全てを(さら)してしまう。

 もしかすると、今まで誰にも見せたことの無い快楽を晒してしまうかもしれない。

 それを見られてしまうのである。


 でも、私は頑張ろうと思った。恥ずかしさ何て乗り越えようと思った。

 幼いころから夢見ていたG1戦士になる為に。お母さんに初めて告げた私の目標を達成する為に。


 だから、私はやっとの思いで自分の心に言い聞かせたのだ。

 言い聞かせたつもりだった・・・。


 でも、所詮内気な私の性格では無理があったのだ。

 母の女優名を聞いただけで、簡単に動揺してしまい、固く決意がしたことがどこかに飛んで行ってしまった。


 本当は初演から逃げたかったのだ・・・。

 誰かに助けを求めたかったのだ・・・。


 本当は、そんなことずっと前から予想出来たことであった。

 私には無理だって言うことを。

 でも、憧れのAV女優に成りたいと言う気持ちが、それとは別に成長し続けて行ってしまっていた。だから、自分の本音を否定し続けて来たのであった。


 そう、小学生の高学年に成った頃には既に人前で裸になることが恥ずかしかったのだ。他の女の子の様に男の子の前で平気で裸になることが出来なかった。それは、年を重ねる毎に強くなって行った。


 しかし、幸い部活動では裸になることが無く、今まで極力それを隠すことが出来ていたのだ。

 学校ではそれでも何故か私は人気があり、通用していたのだ。

 高校では3年生になって、上級生がいなくなると学年トップにも成れたのだ。


 だから、こんな性格でもいざとなれば、AVビデオ撮影になれば、私だって裸になることが出来ると思っていた。


 でも、今回ではっきりと分ってしまった。

 私の中ではそれはそんなに簡単に割り切れるものでは無いと言うことを。


 

 どうしよう・・・もう初演が始まると言うのに・・・。


 本当は演技なんか出来ないなんて、言えはしない・・・。

 裸になんかなれないなんて言えはしない・・・。


 AV女優になんか、成れはしないなんて、とっても・・・。

 ・・・・・・。


 私の幼い頃からの夢も、強い心も、何処か遠くへ消えて行ってしまった・・・。


 私は、わたしは素の内気で、恥ずかしがりやで、甘えん坊の私に戻ってしまった・・・。


――――£


★☆ 第 34 話 ★☆

☆★ ♂ 女 優 ♀ ☆★


 里緒、頼む。待っていてくれ・・・。


 学校を出た俺はそう願いながら、無我夢中で走り続けた。陸上部で常に気をつけていたペース配分等、全く無視をして走ったのだ。

 どんなに全力で走っても俺は絶対に倒れはしない。そんな根拠のない自信に溢れていた。倒れるとすれば、今、起こりかけていた持病の緊張から来る下った腹の痛みであろうが、走っている内にそれすらも忘れていた。

 

 丘の上にある”へ高”の校門を出ると急勾配の坂が続く。それを一気に駆け下り、住宅地に出ると人通りの少ない裏通りを選んだ。


 今日の俺は体が軽い。これであれば里緒の待つ俺のアパートまで15分は掛からないだろう。

 お腹も大丈夫かもしれない。そう思った。


 しかし、その心の隙が俺に余計な妄想を与える結果となってしまった。


 妄想の里緒が頭の中に出没してしまったのである。

 引き締まった肉体でありながら、程良い加減に脂肪の丸みを帯びた裸体が脳裏をウロウロし始めたのである。

 その視覚的妄想は更なる扉をこじ開け、肉体的な接触への妄想へと場面を変えて行く。

 それは、無論俺のオイタな部位に別の人格を与え始めることとなるのは言うまでも無い。


 本番行為はAV界のご法度なので不可能であるが、初めての女の子との裸の接触だ。いや、女の子だけでは無い。全生物を含めて初めてである。


 その初めてが里緒であると言うのは、この上ない幸運ではあるのだが、それは同時に、妄想だけでもオイタな部位を簡単に平常の一線を越えさせてしまうことでもある。


 ただ、その部位だけであれば、多少走り辛いだけで済むのだが、それはその部位だけでは留まらなかった。俺の弱点である腸内に余計な水分をもたらす結果となったのだ。

 その水分は、音を立てて内部の固体を崩壊させていく。


(ゴロゴロ・・・。)まずい・・・。


 経験上、腹痛の我慢は3度までが限界だ。こんな所で、一回目の腹痛を起こしてしまっては、里緒との本番(と言ってもH的本番は出来ないが)を終えるまで持ちそうもない。

 慌てて他の事を考えようとするが、一旦始まった“妄想”と言う快楽にブレーキは効かない。更に、夢は勝手に先走って行く。


 妄想上の里緒は俺の思うがままだ。彼女との絡みに、俺の性癖が踊りだす。

 一糸纏わぬ姿の若い男女。上とか下とか前後ろ。あんあん、のんのん、そんなこと。

 俺はAV監督になった様に妄想に対し客観的に外から演技始動を加えていく。

 

 んっ、AV監督?


 AV??


 余計な言葉から、余計なことを連想してしまった。

 そうだ、里緒の心身のことばかり考えていて、現実に行われることに対して(おろそ)かになっていた。俺は全AV界のみならず系列の異世界を含め、自分の裸体と性癖をさらすことになるのだ。


 一体、俺の性癖は人並みなのだろうか?


 それにこの世界でのサイズ的には?


 不安だ・・・。


 しまった!

 またもや、余計なことを考えてしまった。


 と、思ったがもう遅い。この思考が俺に半端無い緊張をけしかけた。

 俺の両足から血の気が引いていき、身震いが始まる。お尻の穴ではギョウ虫でも沸いたかのようなむず痒さ。

 この興奮的緊張は、俺の腸内活動にとって最悪である。


 と、思いながらも今の俺は限界まで走るしかないのだ。


 しかしだ。直ぐに俺の脚は止まることとなった。第一回目の発作はやって来てしまったのだ。


 急激に襲う腹痛と便意に頬の悪寒。

 俺は左手でお腹を暖め、じっと耐える。

 もちろん、一ミリも漏らさないように、括約筋に気の緩みを見せたりはしない。


 グッとお腹に力を込め、絶えること暫し。

 暫し・・・。


 静まれ~、静まれ~・・・(肛門様)。

 

 事は静かに去って行く。

 よし、切り抜けたぞ。やはり一度目は統計上、大丈夫なのだ。


 一度目は、事無く去って行った。今は時間に猶予が無ければトイレも無い。

 去って行った隙に距離を稼がなければならない。俺のアパートはもうそんなに遠くは無い。俺は再び走り出す。


 さらに走ること数分。もう、俺のアパートは近い!


 その角を曲がれば・・・。

 見えた!4階建ての白壁に赤い傾斜のある屋根。まだ数日しか住んでいないが、俺がこのAV界で住むアパートだ。俺の部屋は最上階の南西角である。

 住んだ時は最上階であることに喜んだのだが、今はそれが恨めしい。


 俺は里緒がまだ居てくれることを願い、最上階の南西の角の茶色い木枠の窓に目を向けた。

 すると、心臓が張り裂ける程にドキドキと高鳴り出したのだ。

 その高鳴りは、全速で走っているからだけではない。窓が、窓が少し開いているのだ。


 里緒は居る。絶対に俺を待っていてくれている。

 そうだ、そうに決まっている。


 幼い頃からの夢だったんだ。それに、今の里緒は柔軟体操部も背負っている。可能性がある限りこの俺を待っていてくれるに違いない。


 俺の疲れきった体にパワーが蘇って来た。ラストスパートにも加速がつく。

 もちろん、これ以上腹の調子を悪化させないように、左手でお腹を暖めることは忘れてはいない。

 

 俺はアパートに入ると一気に階段を駆け上り、扉の取手を握った。


 それに想い乗せて、“ガチャッ”と、回す。


「里緒、頼む。居てくれ!!」



 何だろう!この瞬間・・・・。

 この充実した高揚・・・・。

 でも余り高揚をするな。お腹に良くないぞ。


 こんな時に、何で俺はこんな客観的に自分を分析しているのだろうか。

 不安も、緊張も、興奮も、腹痛も含めて過去を見ている様なそんな気になっている。全て決まってしまった過去を見ている気がする。


 俺はその過去を記憶から探ろうとする。里緒がそこに立っている記憶を探そうとする。でも記憶にあるはずがない。これは現実に今起こっているのだ。


 事実はこれから決まるのだ。


 だから、もし里緒がドアの向こうに居てくれたら初めに言う言葉も今決めることが出来んだ。


 そうだ、昨日と言う過去に、”お願いします”で言えなくて里緒に怒られた言葉を・・・間もなく来る未来に言おう・・・。


 未来だからこそ、自分の意思を実行出来るのだ。 


 ドアを開けた瞬間、俺は確信した。

 里緒の香りした。人の気配を感じた。

 そして、赤い靴が一足揃えられていた。


 俺は第一声に決めた言葉を言った。


「遅くなってごめん」


 1LDKのアパートは玄関から、LDK、寝室へと一直線上である。

 里緒はAVシステムのあるリビングで、こちらを向いて立っていた。


 俺は怒鳴られることを覚悟していたが、里緒は俺の言葉に頷くと、理由すら聞いて来なかった。


「早く、時間がないから」

 里緒の第一声は、前向きな言葉であった。目付きには初演に対する闘志が見てとれる。


 実は俺は心配していたのだ。このAV界と言う幼い頃から裸体を見ることの出来る環境の中で育ったにも関わらず、里緒は異様な位に自分の身体を見られることに慣れていないのだ。


 柔軟体操部の練習でも裸になることはないが、胸元の露出や喰い込みのある姿になることは頻繁だ。

 そんな時、里緒は俺の視線に気づくと俺の視界から外れようとするのである。

 この行動は、他の女の子達には殆ど見られない行動なのである。


 気になっていた俺は、安心しながらもつい聞いてしまった。


「覚悟は出来てるか」


 言ってから余計な事を言ってしまったと思ったが、里緒はそれにひるまず、怒らず、ただ頷いた。


 いける。これならいける・・・。


 里緒、俺はお前と最高の絡みを演じて見せる。

 本能のままに・・・いや、演技として・・・。


 そして、里緒に導かれるままに”AV子機”(スマートフォンの様な外見で、AV界のビデオ撮影の組織”JRAV会”のホストと、文字通信のみが出来ると言う中途半端な先端機器)を出し、AV撮影登録を始める。


 まずは大会名と、”お願いします”で相方が成立した時にもらった”カップル番号”を入力して、”カメムシくん”と言うカメラを呼ぶのだ。


 カメムシくんは賢い。JRAV会が俺達の持つAV子機から認識した現在地を、無線指示によってタクシーの様に、最寄のカメムシくんが俺達の元へ撮影に来てくれるのだ。


 すると、後は作品名と演者名、それに”LIVEモード”の有無を選択し、お互いの子機でスタートの指示をすれば良いだけだ。

 そして、指示から1分後には撮影が始まるのである。

 

 この”LIVEモード”を選択すればリアルアップロード、つまり実況放送をしながらのビデオ撮影となる。その為、当然一切の編集が不可能なのである。


 ただ、デメリットばかりでは無い。実況の場合は通常1アクセス50ペンスのところ、2割増しの60ペンスになるのだ。さらに、ライブマニアがいらっしゃるのでアクセス数も上がるらしいのだ。


 作品時間は新人戦の為15分と短い。本来は無難に録画にしたいところだが、今回は時間が無い。

 もし、カメムシくんの来るのが遅くなり、撮影後に配信操作をする時間が無くなってしまっては大変だ。

 

ここは、里緒と相談の上、”LIVEモード”を選択することに決意した。


 里緒が、俺と自分の子機を使って”カメムシくん”を呼んでくれている間に、俺は里緒の用意してくれた変装用の衣装に着替えるとする。

 里緒は、昨日の“お願いします”の前に役場の窓口の住民課の女性からもらった変装用のカツラも一緒に用意してくれていた。

 里緒に抜かりは無い。っていうか、俺の部屋の中を探したのか?


 今は時間が無い、それは後で聞くとしよう・・・。


 それよりも、何故、変装をするのか?と言うと、それには理由があるのだ。

 学校代表では無い俺が、ビデオに出演していることが判れば、俺が相当に特別な人物であることが判ってしまうからだ。

 ”へ高”の校長の話では、俺が異世界からスカウターによりスカウトされたことが判ると大変な騒ぎになるらしい・・・。


 俺は着替えを始めた。本来、着替える前にシャワー位浴びるのが相方に対する礼儀だがそんな暇はない。俺は汗だくの頭にAV撮影用のカツラを被った。眩いばかりの銀髪である。そして、里緒の用意してくれた衣装は真っ黒だ。

俺はそれに着替えようとしたが、カツラの横に真っ赤なアイマスクが・・・。


 それはSMの女王か、はたまた、ド○ン女様(古い)を思わせる赤いアイマスクである。


 これを本当に付けるのか?

 と思ったが、遅れた俺に異議を言う権利は無い。


 俺は既に先走っている”元気くん”を見せない様に里緒に背中を向け着替え始める。何処で用意したのか黒のビニール地の短パンに、へその出たこれまた、同じビニール製のベストである。

 これでは、ハードゲイではないかと思ったが、それには赤いマントが余計である。


 俺がそれを手にして、里緒の顔を窺ってみると・・・。

 真剣に頷いている。やっぱり付けなければ駄目なようだ。


 俺はビニールの短パンに”元気くん”を辛うじて押し込み、マントまで付けると、ハードゲイではない。ド○ン女様ならぬ、ドロン男様の出来上がりだ。

 一体里緒は何処に向かおうとしているのだろうか?


 俺は不安に思ったのだが、里緒は俺の姿に満足そう2回頷くと、説明を始めてしまった。


 聞くしかない・・・。


 聞いて見ると、残念ながら演技内容と赤いアイマスクとマントには接点が全く見られなかった。

 それに俺は一先ず安心だ。


 良かった・・・。


 里緒が説明してくれた演技内容は、服を脱いでの密着柔軟体操である。無難なところである。これであれば、部活の延長線上である。打ち合わせは2分で充分だ。


 ただ、何処まで脱ぐかは里緒の口からは出なかったが、恥ずかしがりやの里緒の口から出なかったところを見ると、恐らくスッポンポンと言うことで間違いないだろう。

 いかん、ビニパンが妙な形に伸びそうだ・・・。

 

 そんな、ビニール系の俺に対し、里緒の姿はと言うと、俺の風変わりな格好に対し、柔軟体操部顧問の塩南しおな先生の今年度の方針通りで制服のままである。彼女の感性を疑うが俺としては嬉しい気もする。


 着替え初めてから約5分後、開けていた窓の隙間から“カメムシくん”が進入して来た。残り時間は20分と少々。

 後は、題名と演者名を入力すればスタートだ。


 演者名とは俳優名とは違い、作品ごとに付ける自分の名前である。(”小○家になろう”で言えば、俳優名は”ユーザーネーム”で、演者名は”作者名”である)


 作品名は里緒が考えてくれていた。

 良く分からないが”初めての柔軟”だ。体操ビデオと間違えそうだが、この世界にはそんなビデオは存在しないAVビデオしか存在しないのだ。

 俺としては里緒が良ければそれで良い。


 里緒は本名をそのまま演者名にしたが、素性が知れては不味い俺はそう言う訳にはいかない。何か考えなければならない。

 俳優名に決めた”福山回春ふくやままわはる“と言う、強引な名前のままでも良いのだが、念には念をだ。

 

「早く、名前を入れて」


 里緒の言葉に考えては見るのだが、いきなり考えても良い名前は思いつきはしない。


 だが、時間が無い。こうなったら面倒だ!

 取り敢えず、今日のところは小さい頃から俺を可愛がってくれた、お袋の父親、俺の祖父さんの名前”萬好一(よろずこういち)”にすることにした。


「じゃあ・・・」

 と言い、AV子機に俺が祖父さんの名前を入力していると、それを覗き込んでいた里緒から、震えた声が漏れた。


「よ・ろ・ず・・・」


「何か、おかしい?」

 里緒の顔覗くと、先程までキリッとしていた里緒の表情が、遠くを見る様に焦点が合っていない。


 そして、


「よろず・・・」


 と繰り返す・・・。


 どうしたんだ里緒、祖父さんの名前がそんなに気に入らないのか・・・?


<つづく>


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