第006話 最終話
倉庫跡地に静寂が降りる。
羽山六郎と松添飛雅は、影に潜みながら、周囲を見張った。火災前夜からの足音、二重に仕掛けられた監視すべてが繋がり、犯人の輪郭が、うっすら見え始める。
「奴らの狙いは何だ?」六郎は低く呟いた。
飛雅は保険契約や取引記録再確認し、矛盾を洗い出した。被害額を不自然に増やす意図・特定人物を標的にする手口が浮かび上がった。
夏丘孝枝は自宅に届いた最後の脅迫メッセージを握りしめた。
《帳簿はすべてみたな・・・》
彼女は深呼吸し、もう、逃げない、真実を明かすことを・・・決意した。
空済友香が掲示板で見つけた過去の養殖火災事例と今回の火災を照合する。
天壁に向かって震える声で告げた。
「偶然じゃない、巧妙に仕組まれ、計算された火災」
知恵の目には覚悟が宿る。
倉庫跡地の暗闇に突然二つの人影が現れた、監視の正体。
けれど、六郎と飛雅は、躊躇せず動く。
影は混乱し逃げ惑う。炎のように広がる静寂が街を包む。
闇と沈黙の一重。焼け残ったモバイルバッテリーは静かに横たわり、跡には何も残らない。
だけど、街の人々の心には不穏と警戒が刻まれた。
六郎は拳を握りしめ、飛雅は、ノートを閉じ囁く。
「静寂の炎は、すべてを映し出す」
眠る街は繰り返され、倉庫跡には風が寄りみちしていく。
二重の監視は消えたわけではなく、養殖火災の種は誰かの手の中で、あたためられ、次のターゲットロケーションを探しているのかもしれない。
本作、養殖火災は、モバイルバッテリーの発火のニュースからひらめきました。
放火でもなく、取り扱いによるモバイルバッテリーの発火を少し変えてみました。
二重に張られた監視は、どうなるのでしょうか?
最後まで拝読ありがとうございます。
じゅラン椿




