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第003話 影を裂く足音
倉庫の焼け跡に残された足跡を六郎は発見した。
それは人間のものではなく、機械的な均一さを持っていた。
一方松添飛雅は住民への聞き込みを続けるが、誰も火事の前に不審者をみていないという。
ただ、一人の老人だけが、小声で漏らした。
「夜中に倉庫の前にうろうろしていた気がする」と、あくまで、気がする、ちょっと、曖昧だ。
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夏丘孝枝は、無言電話に怯えていた。"帳簿を見たな、次はお前の番だ"低く変えられた声が耳に残り、手が震える。
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友香は大学の端末で過去の養殖火災の痕跡を見つけ天壁知恵に報告する。
「やはり、仕組まれた火災です」
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夜、倉庫跡地で張り込む六郎と飛雅は不気味な足音を耳にする。闇の中に浮かぶ影はやがて静かに消えていったのだった。




