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第002話 影の温度

羽山六郎は、焼け跡に残った、モバイルバッテリーを手にしていた。

金属の歪みは、自然発火では起こらない痕跡だ。


 「リチウム電池は、こんな燃え方しないはず、誰かが"手を加えた、または育てた火"だ」

同僚の言葉に六郎は無言でうなずいた。


 報道記者の松添飛雅は、火災前夜の保険契約を調べ疑念を抱いた。

夜、自宅ポストに差し込まれた封筒の中には、焦げた紙片(かみきれ)と一行のメッセージ《監視は一重じゃない》


 経理担当の夏丘孝枝は金庫のカギ穴に細工跡を見つけ、胸騒ぎを覚える。


 天壁知恵は、友春の証言に耳を傾ける。


 「ネットで見たけど、"養殖火災"は自然発火にみせかけるための仕掛けられた火って・・・事実かどうかはわからないんだけどね 僕は半信半疑だよ・・・」


夜風に吹かれる倉庫跡地を、誰かのスマホレンズが目撃していた。


それは六郎と飛雅だけでなく、その背後までも狙っていた、狙われていた。


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