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第001話 燃え残る影
郊外の物流倉庫が、深夜に炎上した。
モバイルバッテリーが原因と報じられたが、現場に立った羽山六郎は焦げ跡を見て首をひねる。
「自然発火にしては広がりが妙だ・・・」
報道記者の松添飛雅は火災直前夜に倉庫保険契約が急に変更されたことを掴む。
偶然か、必然か、計画的犯行か?
経理担当の夏丘孝枝は、焼け残った帳簿の一部に手を伸ばし心をざわつかせた。
ーーーー何かがおかしい・・・。
大学講師の天壁知恵は、学生の空済友香が口にした言葉に驚いた。
「養殖火災って、知ってる?」
その言葉は、単なる噂話ではなかったのだ。
炎はすでに、鎮火しつつも、事件は始まったばかりなのである。




