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第13話 令嬢捜索

クラナス伯爵令嬢ルマリエッタ様の捜索大会、絶賛開催中。

転生少年も緊急参加決定。

やっほー!


・・・やる気になったとはいえ、今のこの身はただの魔法をよく知っているだけのそこそこか弱い少年だ。


まあ、こういう場合は手札の確認からだよね。

ステータスどん!


名前:セドリック・マルタン

種族:人間族

性別:男

年齢:13歳

職業:見習い従士

状態:健康


位階:1


能力値

HP:30/30(+12)

MP:18/18 (+3)

STR:8(+2)

VIT:7(+2)

AGI:9(+2)

DEX:9(+1)

INT:18

LUK:18

CHA:18


スキル(戦闘)

魔法:20(レジェエンド)

神聖魔法:0(素人)

精霊:20(レジェエンド)

格闘:3(初級者)

剣術:8(+2)(中級者)

槍術:4(+1)(初級者)

弓術:3(初級者)


スキル(非戦闘)

鑑定:20(レジェエンド)

商売:11(上級者)

政治:14(専門家)

祈り:2(+1)(素人)

医術:14(専門家)

動物:5(初級者)

料理:1(初心者)

建築:20(レジェエンド)

栽培:12(上級者)

採掘:0(素人)

工芸:20(レジェエンド)

芸術:20(レジェエンド)

研究:20(レジェエンド)

古代語:20(レジェエンド)

外国語:12(上級者)

社交:8(中級者)


こないだ見た時から変わってない。

そりゃそうか。そんなにすぐに上がらないよね。


それにしてもMPが低い。18だって。

昔は3000くらいあったんだけどさ・・・

少ないよねぇ、どうしようねぇ。


それでは装備もどん!


【見習い従者セット】

短剣

短槍

皮の兜

皮の鎧

皮のブーツ


まあ、こんなもんよ。

最初の町の武器屋で一番高いのを揃えたくらい、そろそろ次の町に行ったほうがいい装備。

次の町はすっ飛ばして三十三階へ行くって言ったらだれか止めてくれるかな。

そんな装備じゃ危ないぞってだれか言ってくれてもいいんですよ。


あとなんか使えるものはなかったかな・・・ああ、そうだ、ポーション預かってたな。


基本的に、迷宮訓練で出た魔石やポーションなんかのドロップ品は、持ち帰って屋敷や領地で使うため、マジックバックに保管している。


この世界にはマジックバックがある。


あるけども、ラノベに出てくるような、超重いものをしまったり、空中からポンポン自由自在に取り出すような、神の力に匹敵するスーパーなストレージではなくて、魔道技師が手作りで作成した、空間をちょっといじるタイプの鞄だ。


見た目は普通の鞄で、中に物を入れると、入れた物が小さくなって入るように見える。

もしくは内側が外側より広いのだろうか。

とにかく、見た目は普通の鞄だけど、中に物を入れると物が小さく軽くなってたくさん入るという方式だ。

原理はよくわかってないけどレシピは知っているんで、材料さえ手に入れば自分でも作成可能ではある。

ラノベ的な超ストレージに比べればかわいいものだけど、こんな鞄でもあれば普通の鞄の三~五倍程度の容量があるのでとても便利なアイテムだ。


子爵から迷宮でのドロップ品を入れるために預かっていたマジックバックに、迷宮ドロップを一か月間ためたポーションが入っていたんだけど、捜索に向かう子爵と別れるときに、結構な量をもってかれちゃったんだよね。


ごそごそ。

調べてみたら、HP回復ポーション(小)を5本、MP回復ポーション(小)は3本残しておいてくれたんだね。ありがたや。

あと、さっき鑑定した素早さの短刀+1も、お土産類もマジックバックに入れっぱだ。


そんなわけで準備完了。

これで何とかするしかない。


自分の番の見張りはさっき終わったばかりだから、次の見張りまで六時間弱の時間がある。

その間に、すっと行ってすっと帰ってこよう。


おぼっちゃまを悲しませるわけにはいくまい


よし行くぞ、急ごう。


こっそりお宿を出ると、さっそく『影隠』の魔法を使う。

コスパ最強の気配を消す魔法だ。消費MP1なのに驚きの効果。

夜だとだいたい見つからない、素晴らしい魔法だ。

薄暗い迷宮の中でもなかなかの効果が期待できちゃうのもいいね!

これって闇の精霊とか悪魔とかがよく使う魔法なんだよ。

昔、闇の邪霊なんたらかんたらから無理やり奪い取った甲斐があるな。活躍してる。

ありがとう、闇の邪霊ふんたらかんたら氏。


人目につかないようにこそこそ移動で迷宮の入り口に到着。


迷宮の入り口は静かだ。夜ともなると誰もいない。

見張りもいない。

さすが治安悪くて有名なナナス。


見張りがいないってことは、たとえば、誰か悪い人が人を殺して、運んできて迷宮に捨てて吸収させて証拠を消してもわかんないってことなんだ。こわいねえ。


じゃあ、なんで見張りがいないかって、そりゃ、見張りなんかしてたら、迷宮にそういう意味で用事のある悪くて強い人に殺されて迷宮の中に捨てられちゃうかもじゃん。

だからなり手がいないんじゃないですかねえ。

やだーこわーい。

でも、こういう時はいいよね。えへへ。


転生少年は誰にも見られずに迷宮へ侵入開始。

入り口の迷宮の紋章に手を当てて三十三階を念じるとあたりの景色が切り替わる。


転移した先は、青黒い独特な壁の色をした場所。

記憶にあるナナス迷宮三十三階に間違いない。

最後に来たのは百年以上前だけど、ちゃんと転移できたようだ。


転生すると、以前の迷宮到達記録がリセットされてしまうかもと、ちょっとだけ心配してたんだけど、ちゃんと転移出来てよかった。

やはり、そういう記録は体ではなく、精神というか魂のほうに刻まれているんだね。

理論上はそうだとわかってたんだけど、これで確かめることができた。


三十三階だ。


この迷宮の三十階からはダークゾーンと転移の罠があったはず。

当然、お嬢様はその罠にかかったんだろう。


確か三十三階から三十四階への正規ルートは、ダークゾーンを進んだ先にある転移床で飛んで次の階へ進む階段を見つける、だったかな。あまりにも昔の記憶過ぎてうろ覚えだ。


お嬢様がその正規ルートの固定転移床から転移したのなら、そのまま三十四階に行って階段の紋章で帰ってくればいいんだろうけど、おそらく、ランダムトラップの転移で飛んじゃったんだろうな。


ということはモンスタードロップの宝箱開けるときにやっちゃったんだろうけど、罠解除の盗賊はメンバーにいなかったんだろうか。

リーダーの騎士が宝箱の罠を受けるなんて珍しい・・・


宝箱に転移罠があるんだよ。

一番怖いのは一人用のやつ。

転移の対象範囲がグループ全員なら優しいんだけど、開けた一人しか飛ばないやつもたまにあるんだ。

今回はそれなんだろうな。

それでも幸いなことに三十階あたりの罠ならば、同じ階の違う場所への転移で済むからまだ希望はあるよ。

これが五十階以下みたいに、階層も場所もランダムだと絶望するしかないし、七十階以下みたいに石の中へ飛ばされないだけマシとはいえる。


とりあえず、捜索開始だ。

張り切っていこう。


前世なら、第五位階くらいのスーパーな探知魔法を使って一発で見つけられるんだろうけど、消費MPは50以上。そして僕のMPは18。

むりむりむりむりかたつむり。


そもそも第五位階の魔法を第一位階の僕が使おうとすると、理論上の成功率は魔法スキル20とINT補正+3の成功率上昇ボーナスを加算しても23%くらいだ。

運用可能な確率ではないね。

失敗したらそこで試合終了だし、失敗しなくてもMP0だし、まー無理だ。


ということは、やっぱり、低位階の魔法を組み合わせる方法しかない。


まずは、『迷宮地図』の魔法だ。これは第一位階の魔法で、迷宮を冒険をする魔法使いがまず最初に覚える基本魔法。

自分が行った場所を地図にして記録出来て、いつでもその地図を呼び出せるという、ダンジョンゲームによくあるマッピングの魔法だ。消費はMP2。


『大地を刻む記憶よ、我が足跡を道と示せ』


えい。

目の前に、自分しか見えない地図が広がる。

おやっ、完全じゃないな。

外周の部分に未踏破を示す黒いもやがかかっている。

以前来た時に完全に歩いたからすべて埋めたはずなんだけど、そうか、この百年で迷宮が成長したのか。

この見えない外枠に調査対象がいると困るな。


見える範囲内にいてくださいと祈りつつ、二つ目の魔法は『探知』だ。


探知の魔法も色々あるけれど、今回は近距離の人探しに強い大地の精霊にお願いする第三位階の探知魔法にしよう。第三位階なら、何とか使えるしね。

一番便利な魔法は、大体、第三位階の魔法というのは魔法使いの常識さ。


この魔法はそんなに遠くない場所にいる探したい相手の居場所がなんとなくわかるという魔法で、迷宮地図の魔法と組み合わせるとかなり使えるんだ。

地図の縮尺を合わせるのにコツがいるから、多少の練習は必要だけど僕は上手いのさ。


まず探すのはわが主、子爵から。


『大地を巡る精霊よ、土を踏む者の歩みを我に告げよ。地に刻まれし足跡を示し、ヨルク・エナ・ルドナタの居場所を示せ』


すると、魔法の地図に子爵を表す濃い青の点と、お供の騎士を表す二つの薄い青い点が表示された。

おーいたいた。この魔法は本人だけじゃなくて、近くにいる味方も見えるのがいいよね。

やっぱり第三位階は間違いない。


で、子爵は開始位置からだいぶ北側だね。動いてる。

動いているってことはまだ無事ってことだね。よかった。

誤字などありましたらご指摘ください。

つたない文章ですが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

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