表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/41

あれ? どこかで聞いたことがあるぞ?

いつも通り授業が終わり、読書をして帰宅した夜。俺は暇つぶしに動画投稿サイトの動画をボーッと眺めていた。大食い企画を行うグループ、山でキャンプを行うコンビ、サッカーや野球のハイライト動画…… 気がつけば1時間が経過していた。


「そろそろ宿題しないとなあ…… ん?」

 ふと目に入ったのはVtuberの動画。普段はVtuberは見ることはないが、なぜおすすめ動画として出てきたようだ。

「高校生から社会人まで様々な恋愛の悩みに答えます」

 この前そんな話をしたな、俺はそんなことを思いながら何気なく視聴ボタンを押す。生配信動画のアーカイブのようだ。

「こんばんはー。Vキャスト新人Vtuberの水咲ネネです。今日もよろしくね〜」

 水咲ネネというVtuberらしい。チャンネル登録者は…… 5000人程度か。人気というほどではないな。ただVキャストという名前は聞いたことがあった。半年ほど前に所属する人気配信者が問題行動で大炎上し、ネットニュースになっていた。アウトローな配信者ばかりかと思っていたら普通の女の子もいるんだな。


「じゃあ早速ですが、皆さんから匿名で届いた恋愛のお悩み相談について見ていきたいと思います! まずは…… これかな」

「僕は高校3年生です。クラスに好きな人がいるのですが、時々話をするだけの関係です。ただ、最近よく目があうんです。その子のことをさりげなく見るのが趣味なのですが、ぱっと目が合うことがあるんです。彼女は何事もなかったかのように目を逸らすのですが…… それが1日に何回かあります。今度課外授業で同じ班になるのですが、その際に距離を縮めていっても問題ないでしょうか? 意見をお聞かせください」


「うーん、ミミ的にはだけど、これは脈なしだね! 目があった時にニコッとしてくれたりしてたならともかくね…… きっとチラチラみてきて気持ち悪いと思ってるよ」

:違いない

:ストーカー予備軍やん

:何回も目が会うのは普通に怖い

「うん、女の子は怖がってるかもねー。まあ、課外授業で少し話しかけてみるのもいいかもね! その時の反応で何かわかるかも。もしいい感じのリアクションだったら少しずつ距離を詰めていってもいいかもね」

??? どこかで聞いたことがあるお悩みが話されている。回答も俺が答えたのと同じじゃねーか! これは高木なのか?? ただ、声は似ているような似ていないような。


「では、次の悩みいきます。 私は大学2年生の女子です。最近同じ英語の授業を受けている男の子が気になってしまいました。何回か授業の前に話しかけられて、好きになってしまったようです(ちょろいですね)ただ、彼はいつも男女問わず多くの友達に囲まれていて、あまり友達もいない自分が積極的にいく勇気はありません。こういう時はどうしたらいいでしょうか?」


:隠キャが陽キャを好きになってしまったというやつか

:これは厳しい戦いだな

:誰とでも仲良く話していそう

「クラスの中心人物を好きになってしまった、というような話かー。うーん、難しいね。まあでも私だったら積極的に行くかな! 周りの人にどう思われても関係ないよ。一生付き合うわけでもないし。少し恥ずかしいかもしれないけど大丈夫! グイグイ行っていいと思うよ。」

:おおー姉御肌

:積極的に行くタイプなんだ

「うん、私はね。後悔したくないからね! 友達と好きな人が被ったりしたら悩むけど…… その時でも譲りたくはないかなあ」

 うん、高木ではなさそうだな。こんな積極的なキャラではない。男子に話しかけられてオロオロしている姿しか見たことがないからな。やはり気のせいだったか…… 俺は動画を閉じようとした。


「じゃあ、次! 次は社会人からのお便りだね」

「僕は28歳のサラリーマンです。今度職場の後輩と一緒に出張の予定があるのですが、その際にどうにかして関係を持ちたいです。彼女は私のことをよく「可愛い」と言ってくれる職場の人気者です。一度ご飯に誘ったのですが、今は忙しいと断られました。ここからどうやって近づいていくのかアドバイスをください」

:職場のマスコット的存在か

:28歳で可愛い、ってどういうことだ

:ご飯断られている時点でお察し


「うーん、これはねえ。残念だけど女の子の可愛いはあまり期待しない方がいいよ。ぬいぐるみに可愛いと言うけどぬいぐるみと付き合いたいと思うことはないもんね。本当に可愛いと思ってるかもしれないけど、恋愛対象として見てない可能性が高いね、残念だけど……」

「私も昔、友達と「XX君可愛いねー」って言ってた男の子から告白されたことあるけど、お断りしちゃった。見る分にはいいんだけど近づきたい、仲良くなりたいとは思わなかったからね…… まあもちろんそうじゃない可能性もあるけど!」

 やっぱり高木じゃねーか! しかも俺のエピソードをパクってるんじゃないのか!? どう考えても前に話した内容と回答がリンクしている。偶然にしてはおかしい。まあ高木の友達の可能性もあるか。友達から聞いた相談内容を相談してきた可能性もないわけではないが……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ