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惚気(ラルク視点)

 凛が泣いた後、言いたくない事は言わなくていいから、今迄の事を話してくれないか? と俺が言うと、凛はポツポツと生い立ちを掻い摘んで話してくれた。

 研究所生まれで親は存在しない事、洗脳に近い教育を受けていたこと、国の政策の方針転換で里親が出来その里親に愛された事、里親と過ごした幸せな期間は3年間で終わってしまったこと、訓練所で訓練の後戦争へ14歳の時から駆り出されていた事。


 ラルクからしたらまだ17歳なのにこんなに綺麗な顔の下でヘビーな人生を送っている事を知り驚いていた。

 

 そして、ラルクにとっては嬉しい誤算だのだが、リンが超絶可愛くなった。

 恐らくずっと心を押し殺してきた反動なのだろう、ラルクに心を開き精神年齢が少し幼くなったようだ。

 こちらではリンは小柄な事もあり12歳位に見えていた為、ある意味見た目通りに見える。


 この話合いは朝まで続いた。

 因みに体の関係までは発展しておらず、健全なオールだった。


♢♢♢


 ーー執務室。


「それで最後は小声で『もう行っちゃうの? 』って離れ難いように俺の服の袖を掴みながら上目遣いで寂しそうに言うんだよ! もう何度押し倒そうかと思ったよね」


「はいはい。心が通じ合って良かったですねー。(いつもより手を動かしてるから文句が言いにくい)」

 イリヤは棒読みで答え、ラルクをうかがう。

 一睡もせずに執務に取り掛かるラルクの目の下には隈ができてるが、幸せオーラが充満していて、書類仕事もいつもより捗っているようだ。


「それにしても彼女もハードな人生を送っているのですね。えーとリンちゃんでしたっけ」

「本当に」


 イリヤの言葉にユベルが頷きながら肯定を返す。

 ラルクは2人には凛から聞いた生い立ちを話していた。そう言う話に弱いユベルは目元が赤い。護衛業務中でなければ泣いていた事だろう。


「(ラルク様はますます、リンちゃんにハマっているように見える。これは対策が必要かな)」

 お花畑が満開のラルクに対してイリヤは先のことを思った。


 そして、

「ロリコン……と思われないと良いですね……」

 と言って部屋の空気を凍らせた。


 「……いや、……少し気になってたんだが。やっぱりそう見えるよな……。でも、惚れたのは一目惚れで、年齢を知る前だったし……あながち間違ってない? 俺はロリコンだったのか?」

 ラルクが悲しそうに、ぶつぶつ呟いていた。



 これを機に、自分の住居と図書室の往復しかしてないなかった凛が時々、王宮の庭園でラルクとお茶をしていたり、散歩している姿を人に見られるようになる。

 ラルクの少女への視線は誰が見ても明らかに優しい目をしており、男性からは年の離れた兄弟が仲良くしているようだと微笑ましく見られていたものの、ラルクを狙う女性は、少女を見つめる目線が”女”を見る目だと気が付いた為、”第三王子に本命現る”と噂が駆け巡ることになった。

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