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手紙(ラルク視点)

 助け出された日はそのまま眠り、凛に会えなかった。

 やはり治癒の回復魔法を受けようと元から体が頑丈な方であろうと疲れてはいたらしい。


 次の日も父上や兄上等に拘束され、開放されたと思ったらベットに問答無用で連れて行かれた為凛に会えなかった。


 その次の日は遠征から今まで凛に一度も会えなかったのだから一眼だけでもみたいと思い、嫌な予感を気のせいだとふりきり、朝からイリヤの部屋に突入したが、凛は居なかった。


 イリヤが何か言ってるが頭に入らず、ユベルの部屋に向かったがここにも凛は居なかった。


 魔道士塔の元住居にも行ったが、人の気配もない長い間使用していない事が分かる部屋になっていた。


 呆然としてると、イリヤが入ってきて“リンちゃんは無事に目覚めて出て行きました”と言ったが、本当は誘拐されているかもしれない。

 執着していたラルクを諦めさせる為の周囲の者達の言い訳かもしれないと思い探しに行こうとした。

 すると、イリヤがため息を吐きながら“リンちゃんから預かった手紙です。今日1日自室で大人しくしていただけるなら渡します”と言われたので渋々約束した。

 一刻も早く、読みたくて自室までイリヤと共に早足で戻り、イリヤから手紙を受け取るとイリヤが出ていくのを確認する時間も惜しく、急いで、でも丁寧に封を開けた。




 ラルへ

 私は無事回復したよ。

 誘拐とかされてないから心配しないでください。

 ラルに2回も助けて貰った命、今度は大事にするから。

 前回はごめんね。

 私は汚い罪深い人間なんだけど、ラルの私に向けてくれる眼差しがあったかくて、つい勘違いを利用して上手く汚い醜い部分を誤魔化してたんだ。だから、それを垣間見てしまったラルの反応は当然の事だから気にしないでね。

 当然の事なんだけど、なんだか勝手に捨てられたみたいに感じちゃって、辛くて耐えられなくて、逃げちゃったんだよね。


 ほら前に言ったお母さんと自殺はしないって約束、あれは守りたかったからさ、例え欲望の捌け口であったとしても、精一杯生きてこのラルのいる世界の人に少しでも還元出来たら、お母さんに褒められるかなと思って。まぁちょびっとは誰か事故で殺してくれないかなと思ってたのも本当だけど。

 全部自分で選んだ道だからラルは罪の意識なんていらないからね。



 私の世話をしてる間、よく話しかけてくれてたよね。助けてくれた? 直後は分からないけど治ってからは全部ちゃんと聞こえてたよ。

 最初は人形に話しかけてて、懺悔して、愛を囁いてて馬鹿な人だなぁとか思ってたんだ。

 すぐに飽きるとも思ってた。

 でも中々諦めないし、諦めないどころかエスカレートしていくし、処理はトイレとかでやった方が良いと思うよ?


 でも、いつの間にかラルの言葉、世話が嬉しいと感じるようになってたんだ。

 こんな人形でも愛してくれるラルが愛おしいと思うようになっていって、気が付いたら私も好きだよって返したくなってた。

 出来れば最後までラルが愛でてくれる綺麗な人形でいたかったんだけど、ラルが行方不明って聞いてびっくりして起きちゃった。

 もうビックリさせないでよね。でも無事だったと聞いて安心しました。



 そこでお互い綺麗な思い出だけしまって生きていけば良いんじゃないかと思って、出ていく事にしました。

 ラルに愛を囁かれた日々は例え綺麗な人形へ向けての言葉だとしても、凄く嬉しいものでした。


 でも、実際の私は……

 ※綺麗なリンだけを見ていたい場合は飛ばしてください。


 ====


 書くよ?


 実際の私は、

 

 8歳の頃には人を殺してました。


 暗殺はお手の物です。魔法は分からないけど、魔法なしだとしたら、この世界の騎士でも勝てそうです。魔法ありでも、不意打ちとか狙ってよければ多分殺せるんじゃないかなと思います。


 あとね。


 お母さんも私の手で殺しています。


 訓練所の卒業試験が里親の暗殺でした。なるべく苦しまないように逝かせてあげたけど、実際の所どうだったかは分からないな。あんなに愛して貰ったのに恩知らずだよね。

 なので、必要であればラルもユベルもイリヤも知り合いでも知り合いじゃなくても、サクッと殺す事が出来ます。

 私は必要だと感じれば汚い事でも何でも簡単に行動出来てしまう人間なんです。


 あとは

 戦争では両手で数えきれない位殺してます。朝から夕方まで人を殺し、夜は上官やお客さんに奉仕してました。

 私は自己治癒能力が高いという特殊能力を持ってます。向こうの世界では治癒の回復魔法なんてないので、怪我をしたらその怪我の分、治癒の回復魔法なしと同じ状態になります。が、私の場合はその特殊能力で軽い打撲や切り傷などは半日あれば治ったので、痛みつけるのが好きな相手に人気でした。

 後は体が頑丈だし、心も拷問訓練を受けてたので、壊れる事なく長く使えたので人気だったのかなと思います。



 そんな訳で私は凄ーく汚いのです。だからラルは私のことは顔が綺麗だった人形があったなぁ位に思ってさっさと忘れてくれると嬉しいかな。


====


 とにかく言いたいのはお互い幸せになろう! という事です。

 私も貰った命と思い出を胸に精一杯生きてみようと思ってる。もう自分の体を痛みつけるような事を自分からしないと約束するからラルは安心してね。

 


 だからラルも幸せになって。


 私はちょっと旅に出ようかと思うけど、第三王子が何処かの姫様と結婚したとか子供ができたとか幸せな報告が聞けたら嬉しいな。


 あ、もし会いたいと思ってくれても1国の王子が軽々しく探しに行っちゃダメだよ? 私は国外に出る予定だからね。私が動かない時にラルが色々話てくれたものを、実際見てみようと思ってる。

 

 お互い離れても俺はラルの幸せを願っています。


 じゃ、またね。


 凛より

 (リンを元の世界の字で書くと“凛”って書くんだよ。管理番号しかなかった私にお母さんがくれた名前なんだ。良い名前でしょ?)

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