表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LastWeek  作者: ゆゆ
9/14

最終日-終わりの日

言いたい。

一番に言いたい、誰よりも。


ただ、それだけの事なのに。


神様、神様。







どうか、間に合ってください。





























Last week-7 終わりの日-




























窓の外はただ、真っ黒。

でもだんだん日本に近づいているんだと思うと、

なんだかやはり、嬉しかった。


多紀に会える。

ただ、それが今の私を支えている。


私はやっぱり幸せ者だと思う。

運もいい。

日本に帰る、パイロットさん達に拾ってもらえたんだから。


太陽の光が無いフライトは危ないと思う。

飛行機のライトで、いけると思う?

普通の夜じゃないんだよ・・・。


だけど、そんなこと思っている暇はない。








ただ思うの。
























間に合ってください。


























「会いたい人が居るの?」

スチュワードさんが私に暖かいスープを差し出しながら聞いた。


寒い飛行機の中、差し出されたスープはすごく温かかった。


「はい、とても・・・大切な人です。」


そう言うとスチュワードさんはニッコリと笑って、

私もよ。

そう言った。


「会えるといいわね。」

「はい・・・。」


それからはずっと無言。

話せなかった。

























どうしてか分からない。

寒くて、寒くて。

凍えてしまいそうだった。


けど、心まで凍らせまい、と。

私は必死だった。


寝たら死んでしまう、とかあったけど。

そんなもんじゃない。



そんな、もんじゃない。



飛行機についている暖房とか、効いてるのか効いてないのか。


でも、日本へ帰って多紀にあえるなら・・・。


私はいくらでも我慢してみせるよ。


耐えて見せるよ、私はただ言いたいだけ。

























「おめでとう。」























これだけ、言いたいんだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ