表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LastWeek  作者: ゆゆ
8/14

六日目

二人で一人なの。


二つで一つなの。


そんなの見ただけで分かるでしょう?


片翼だけじゃ、大空へ飛び立てないのよ。










ねぇ、分かるでしょう?




























Last week-6-


























目を開けると真っ暗だった。

私の他に人の気配は無く、真っ暗闇の中に、一人。


「多紀?多紀、何処?」

無意識の内に多紀を呼ぶ。

居ないのに。

当然返事は無い。


目が慣れてきた。


どうやらエアポートの中のロビーだ。

椅子が並んでいる。

誰も居ない。


視線をそらす。

時計が見えた。

AM11:20

と、いうアナログ。


「どうして、こんな・・・」

そして気付いた、この暗さ。

電気はついていない、しかし、昼だ。


そう思い、そして次に思い詰まる。


昨日は飛行機に乗っていて、どうやって日本へ戻るかしか

考えて無かったから、気付かなかった。


もう、ブラックホールが来たのだ。

だから昼なのに、暗いんだ。










闇 な ん だ 。










人が居ないのは当然だ。

仕事なんかしてももう意味は無い。



そして私はお父さんとお母さんから逃げた。

裏切りに入るのだろうか。


お母さんが小声で言ってくれた、

「行きなさい。」

この一言がどんなに嬉しかった事だろうか。



と言う事はここはアメリカのエアポート。

そこで一人・・・、どうしよう。


あぁ、やっぱりもう日本へは帰れないのだろうか。


多紀、多紀。


私はただ、彼方に言いたい。


8月20日、あなたへ誰よりも送りたい言葉。

でも、無理なのだろうか。


日本へ向う、ゲートの前で、祈るようにして私はすがりついた。


























「おめでとう、と言えないのがこんなに悲しいとは・・・。」








多紀・・・。



























「What your doing ? Are you all right ?」

その一言に振り向くと、黒髪の綺麗なお姉さんが立っていた。


「あ、あのっ、えっと・・・。」

「あら、日本の方なのね、中国の人かもしれないから英語で話しかけたの。」

そう言ってお姉さんはニッコリと笑った。

そして私に手を差し伸べた。


「事情はわからないけど、日本へ帰りたいのね?」















私はただ、首を縦に振った。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ