二階から目薬
「目薬だ。」
抜けるような青いそらから落ちてきた滴を指で触って私はそう言った。
「なんだそりゃ。天気雨だろ」
彼はそう言っておかしそうに笑う。その笑顔はやっぱり素敵だ。おかしいな、神様が目薬を指してくれたのに。
やっぱり彼は素敵だ。こんな変なことを言ったって、呆れたような笑いかたはしない。きっと可愛いって思ってくれる。そんな彼だからこそー信じることができないんだ。
私だって彼を信じたかった。でも天気予報士は憂鬱な可能性がを排除してくれない。
「結構、降るかもね」
信じたくはない。この人が、浮気をしているだなんて