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未知なるカレシとライフレコード  作者: ハルカ カズラ
2/4

あ、転職したよ。


「は!? もう一度聞こえるようにクリアな声質で言ってくれない?」


「だ・か・らー転職したった! 雪花ちゃんの言う通りに、やりたくもないことを選んでみたよ」


「やりたくもないことをやれと誰が言ったって? そうじゃなくて、私が言ったのは習い事とか、普段あんたが興味の無さそうなことをやってみたら? って薦めただけで仕事までそうしろと言った覚えないんだけど?」


「あ、あら? そうなの? やー、就職しちゃったんだよね。やりたくないわーマジで」


「バカッ!! それで、いつから? あんた部屋にいるの?」


「いるよん。あ、来る?」


「待ってろ!」


 んー……相当怒ってた。さすが長年の友達だね。聞き間違えたんじゃなくて、理解を間違えてしまったんだなぁ。でも仕事は仕事だし、収入も上がるし良しとしよう! やりたくないわー……。


「シュウ! あんた、バカだと思ってたけどバカだった! 勘違いのするところが違うでしょうが!」


「ですよねー」


「で、何の仕事?」


「公共性のある……ごにょごにょ」


「はっきり言え」


「ゴミ収集の集積所です。ええ、社会のお役に立てます」


「あんた、仮にも女子だろ! 何で、そんなオフィス職から作業系を選んだ? 言え!」


「やりたくないなーって思ってたから、それにしたよ。だって、雪花ちゃんがー以下略で」


 やりたくないけど、人のお役に立てる仕事であることに間違いはないわけで。収入もいいし、やりたくなくてもやるしかないんじゃないかな、と。


「人のせいにすんな! で、いつから?」


「週明けからかな。や、合わなかったらやめるよ? 許して下さいませ」


「蓄えあるの? あんた、家賃とかは払えてるみたいだけど、通販地獄抜け出してる?」


「イイエ。ポチポチと注文しまくってますよ?」


「やめるなよ? 私は忠告したぞ。あんた、いい歳して女捨てるなや……友人としてハズいわ、マジで」


「ご、ごめんね。でも、頑張ってみるから! もしかしたら彼氏出来るかもだし?」


「自分より年上がいいならそれでいいんじゃないですか?」


「ま、待って、見捨てないで下さい~どうすればいいですか?」


 唯一、連絡を取りまくってる女子友の雪花に見捨てられたら、マジでやばい。


「……とりあえず、仕事行け。そしてとりあえず、辞めちゃ駄目。いい?」


「う、うん。やりたくないけどやってみる」


「あんた、それでも今年でサー……ふぐぐ」


「や、そこは黙っててね」


 そんなわけで、転職を決めて友達を失いそうになりかけたこの日が終わりました。

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