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セカンド・ストーリー・オンライン 理想の魔女目指して頑張ります。  作者: 彩帆
第一幕

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22/130

22・物が売れないなら売れる場所に行けば良い


 今日で第二期プレイヤー達がゲームを開始して一週間が経ちました。私もSSO歴はこれで一週間です。


 【黄昏の森】は以前にも増してプレイヤーの数が増えています。皆さんもうそんなレベル帯なのですね……いやむしろ私のゲーム進行が遅いのでしょうか? まぁそれもそうですね。これでも現実の方を優先しているので一日のプレイ時間は他のプレイヤーに比べると少ないかもしれません。


 さてそんなことより、噂によると【黄昏の森】の進行情報はあまり良くないそうです。第一期組もここの攻略には手を焼いていたらしい。


 情報が出揃っている今でもこの有様と……その原因は森で迷うかららしいです。森の地図が完成する頃に出たという報告が多く、プレイヤー達の間では森の地図の探索率が森を抜けられる条件ではないかと言われていますね。


 中には全然上げてなくても出られた人もいるそうですが、その人は運が良かったのでしょう。堅実な攻略法として探索率を効率よく上げるアイテムなどが必須らしいです。


 まぁ私は最初から探索率100%なので余裕で出られますから、そんなアイテムは必要ありません。【土地鑑】様様です。


 そんな事もあって、まだ【黄昏の森】の入り口キャンプ地は賑わっています。ポーションなどは安定して供給されています。値段は安定したみたいです。ここが安値なのは変わりないようですけど。


 あぁ、そういえば体力回復ポーションの他にMP回復ポーションも見かけました。魔法を使う魔女としては体力よりもMPを気にしてしまうので、このMP回復ポーションを作りたい。今の【調合】レベルで作れるようですが肝心の材料となる魔力草が見当たりません。


 森の入口で取れる雑草の中に紛れているのでしょうか? それとももう少し森の奥に行かないと生えてないのでしょうか? 多分そうなのでしょう。MP回復ポーションの方が値段が高めで売られていたので、薬草よりも採取が難しめの植物と考えます。


 次の行動が決まりました。【黄昏の森】の奥に行って魔力草を探しましょう。今はプレイヤーが森の中にいるので普段よりも敵モンスターの数は倒されていて少ない。それに装備も新調しましたので、襲われても簡単には負けないと思います。


 そう思って森の入口を目指して歩いていた時でした。何処からか肉の焼けるとてもいい匂いがしてきます。


「あ、ニル! 待ちなさい」


 肩に乗って寝ていたニルが飛んで行く。その方角には一つの屋台。とても見覚えがありますね。


「ん、なんだぁ? お前さんどこから……いやもしかしてニルか? ……やっぱりそうか。ようお嬢ちゃん」


 屋台で肉を焼いていたおじさんが私の姿を見つけると笑顔であいさつをしてくれました。


「こんにちは。まさかこんな所に店を出しているとは思いませんでしたよ」

「おう。街よりこっちの方が売れ行き良さそうでな」

「ちなみに売れ行きはどうですか?」

「お陰様で黄昏の森店はなかなかの売れ行きだな」


 そんな会話をしている間にもお客がきておじさんの肉の串焼きは売れていきました。確かに食事を取らなければならないこのゲームでは、ポーションと並んで食品はプレイヤー達に必要とされる物でしょう。良く見れば食べ物を売る店も増えていました。サンドイッチのお姉さんの店も発見。……なるほど。


「ところでお嬢ちゃんも買ってくか?」

「うーん、そうですねぇ……」


 今考えていた事を切り替えてまた考え込む私。私はこれでもこの店の常連になっている。なので今日はおじさんには悪いですけど、他の食べ物を買いに行こうと思います。


 ……と思ったそんな私の目にジーと焼かれている肉を眺めているニルの姿が見えました。そして振り向いてまるで買ってくれと言わんばかりのウルウルとした目でこちらを見てきます。


 なんですかその目は。いつもの鋭いながらも眠そうな目はどこいったんですか。買いませんよ。第一肉ばかりは健康に悪いです。だからね、買いません。買いませんって……だから……、


「…………そうですね、六本ほどお願いします」

「毎度あり!」


 だから甘やかすのも今回限りですからね……。



 *****


 相変わらず森の中は昼間だというのにとても暗いです。ですが完全な闇とは言い難く、木漏れ日が少しあります。この状態だと闇魔法が少し制限が掛かるくらいでしょうか。


 完全に力を出すならやっぱり夜中です。ただここだと月の光が少し遮られるので【月光】効果も狙おうとすると開けた場所で戦った方が良いですね。


 ですけど昼間の今ですが、戦うことに関してはあまり支障がない。森の中を歩いていたらばったり出会ったクモ型のモンスター。


 【トワイライトスパイダー】という名前のモンスターは私を見つけるなり糸を吐き出して攻撃を仕掛けてきました。弾丸のように丸まった糸玉は当たると【拘束】効果による移動妨害になります。ですけど当たりませんよ。


「【ウィンドシールド】!」


 風魔法は発動が速くていいですね。咄嗟の攻撃に反応できるので。この魔法は名前の通り防御系の魔法です。射撃系の攻撃を受け流す、風のシールドを対象に付加させることが出来ます。効果時間五秒。私の周りに展開された風のシールドにより、クモの放った糸玉は別方向に飛んでいきます。


 あっ側にいたニルに当たりそうになりました。なんとか避けてくれたのでよかったです。

 ……このシールドは風で受け流すだけで攻撃の無力化はしないんです。なので今のように別方向に行った糸玉が誰かに当たる可能性もあります。パーティプレイ中での使用には十分に注意しないといけません。


 クモが射撃攻撃が効かないと分かると今度は直接攻撃を仕掛けてきます。クモの直接攻撃を食らうと毒状態になってしまいます。私は耐性を持っているので毒は大丈夫ですが、普通に攻撃力が怖い。二、三発くらいなら大丈夫ですけど、心配なのでニルに【ダークミスト】をして貰います。


 視界を奪われたクモが右往左往している中、【シャドウアロー】を詠唱。【ダークミスト】の【暗闇】効果は五秒。【シャドウアロー】の詠唱時間も五秒なので、クモの視界が回復すると同時に魔法を打ち込みます。ダメージは七割程度でしょうか。【ウィンドカッター】で残りのHPを削っておきます。


「フー……」


 こうやってソロで戦って分かったのですが、カイルさんの存在は大きかったですね。前に盾役が居て敵の攻撃を引きつけてくれている。その間に簡単に詠唱を終わらせてしまえます。ソロだとまず詠唱できる環境を作らなければなりません。最初から魔法を待機状態にしていた場合はまた別ですが、今のように突発的に起きる戦闘ではそんなことはまず無理です。常に魔法を待機状態とかMPが先に尽きます。


 それにしても今回は一匹だけで助かりました。複数居た場合はもっと難しくなる。それだけ今は周りにプレイヤーがいるから森の中の敵モンスターの数も少ないのでしょう。


 なのでこうして森の奥まで来ることが出来たのです。森の中自体は結構広いですがプレイヤーがいるような主要な場所は結構狭い。


 すぐにこの森の先、【イルー鉱山】に続く出口も見つける事ができました。皆が探して止まない出口をこんなあっさり見つけるとは……。そこからまた森の奥に戻ってきて魔力草探しをしようとした所でクモに会ったわけです。


 戦闘が終わったので魔力草探しをしましょう。……特に障害無く魔力草は見つかりました。青みがかかった植物で味的にはラムネに近い。食べると先程の戦闘で消費した魔力が微量ほど回復しました。


 草からラムネの味がするなんて……不思議。でもラムネの味なので悪くはありません。そんな風に採取しつつ、時折おやつ感覚でムシャムシャと草を食べていた時でした。


「――うわっびっくりした。なんだ人かー」


 ガサリと草木をかき分ける音と人の声が聞こえてきました。どうやら現在森を攻略中のパーティのような感じの四人組。


「あら、また人に出会うなんて今日はとても運がいいですね」


 運がいいも何も今の【黄昏の森】には人があふれ返っています。まぁこれはロールプレイなので、クロエ本人が現実の事情なんて知るわけがありません。いや、ロールプレイも大事ですがすることがありました。食べていた魔力草を飲み込んで、リーダーらしき人を見つつにっこりといいましょう。


「どうやら魔物と戦っていたようですが……ポーションの備えは大丈夫ですか? 回復ポーションなら売りますよ」


 入り口ではポーションが売れない? なら森の中で売ればいいだろう。というわけで私は森の中でポーションを売ることにしました。移動販売の売上は中々いいですよ。特に森の真ん中あたりにいると結構売れます。あと少しの道なのにポーションが切れてしまう……という用意不十分なパーティ相手に。


 そんなわけで目の前のパーティもそんな人達だったようで喜んで買っていきました。そのまままた森の奥に消えていきます。……あぁそちらは出口方面じゃない。でも彼らには分からないのでしょう。教える義理もありません。


 さて、まだ在庫はあります。できるだけ売り捌いてしまいましょう。



//////////////


【デュオ地方】黄昏の森攻略スレ87【死者の森】


ここはデュオ地方にある死者の森こと黄昏の森攻略スレです。

情報交換の場なので、パーティ募集は専用スレでお願いします。


////////////


589://ななしの二人目さん

ポーションは十分に持っとけ。入り口のキャンプで今安いから大量に仕入れてもいいだろ。


590://ななしの二人目さん

さっき全滅しちゃったから装備修理費だけで金が無くなった……。今日はもう攻略諦める……。


591://ななしの二人目さん

>589意外と使い切っちゃうからな……。


600://ななしの二人目さん

ああああああ!!!!PKプレイヤー死ねええええええ!!


601://ななしの二人目さん

>600どうした!?


602://ななしの二人目さん

もうすぐ出口じゃねって所でPKされた! うわああああああ!!


603://ななしの二人目さん

>602三人組? それとも五人組のほう?


604://ななしの二人目さん

>603五人組の方……くそ……。


605://ななしの二人目さん

>604あーそっちか、どんまい。


608://ななしの二人目さん

またPK報告か。なんか多くない?


609://ななしの二人目さん

>608二〜三組くらいPKパーティが森にいるっぽい。


610://ななしの二人目さん

やべー俺も気をつけよ。


611://ななしの二人目さん

港での悲劇再び……というかあそこで討伐隊組まれてたりしたのにまだPKしてるのか。


612://ななしの二人目さん

>611PKはなくならんさ。漁村で見かけた奴らはまだいると思うからPK報告はまた増えるんじゃないかな。


615://ななしの二人目さん

PKとか怖いからさっさと森を抜けたい。もう薄暗い所嫌だ。


617://ななしの二人目さん

>615次のイルー鉱山も暗いぞ?


618://ななしの二人目さん

>617あそこはまだキラキラしてて綺麗だし。黄昏の森は暗いだけじゃないか。


620://ななしの二人目さん

第二期組で森を突破したやつっている?


621://ななしの二人目さん

そこそこいる。まだ皆森の探索率上げ中じゃないかな。


622://ななしの二人目さん

たった今森を出られたぞー!


623://ななしの二人目さん

>622まじか!


624://ななしの二人目さん

>622参考までに森の探索率どれくらい上げたか教えてくれ。


625://ななしの二人目さん

>624探索率は50%くらい。今回は多分道を聞いたから出られたんだと思う。


626://ななしの二人目さん

>625道を聞いた? 第一期組でも道案内してもらったのか?


627://ななしの二人目さん

道案内で金取ってる第一期見て思わず案内してもらおうかとおもったな……。


628://ななしの二人目さん

>626森でポーション売ってた人が教えてくれた。


630://ななしの二人目さん

>628えっ俺の時教えてくれなかったぞ。


631://ななしの二人目さん

>630ポーション買った?買ってないなら教えてくれないのかも。


633://ななしの二人目さん

>631買ったぞ。ただ道を教えてほしいとは聞いてないからな。知ってるなら教えてくれてもいいのに。


634://ななしの二人目さん

>633俺も道は聞いてないよ。だけど去り際に教えてくれたんだけどなんで?


635://ななしの二人目さん

ポーション売りのプレイヤーが違ったんじゃないのか?


636://ななしの二人目さん

>635教えてくれた人は魔女ぽい人だった。


637://ななしの二人目さん

>636同じ人だ。なんで教えてくれなかった?


639://ななしの二人目さん

気まぐれか、教えてもらった奴のキャラが好みだったんじゃね?


640://ななしの二人目さん

>639パーティメンバーの誰かが気に入ったのかな? 森の中で一人でいたからそこの魔女さん何してるのって感じで普通に声かけただけなんだけど……。


641://ななしの二人目さん

>640NPCとかロールプレイヤーだと対応の条件とかで行動が変わるだろうしな。多分何か教えてくれるような行動を知らん内にしたんだろ。


642://ななしの二人目さん

>641そうなのかな? まぁ何にしてもその人のお陰で森を抜けられたから理由なんていいや。


 名前:クロエ

 種族:人間

 性別:女性


【生まれ:ブラッドリー子爵家】

【経歴:家出し旅に出た】


 LV18 残りSP23


 基本スキル


 【両手杖LV17】

 【闇魔法LV16】【風魔法LV16】

 【魔法知識LV16】【魔力LV16】

 【月光LV9】【下克上LV10】


 【召喚:ファミリアLV18】

 【命令LV11】


 【味覚LV14】【暗視LV17】

 【鑑定:植物LV17】

 【採取LV17】【調合LV18】


 【毒耐性LV8】【麻痺耐性LV7】【睡眠耐性LV7】


 【言語:スワロ王国語LV9】



 ユニークスキル


 【言語:ヘイス地方語】

 【身分:エンテ公国・ブラッドリー子爵家】


 【野宿】【土地鑑】


称号


 【ベリー村の救世主】




 名前:ニル

 種族:使い魔

 性別:オス


 LV16


 基本スキル


 【闇の知恵LV16】【ダークミストLV9】

 【看破LV8】【冷たい視線LV7】


 ユニークスキル


 【森の賢者】【夜行性】

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Gzブレイン様より出版しました!
大筋は変えず色々加筆修正やエピソードを追加してあります。
kaworuさんの超綺麗で可愛いイラストも必見ですので、どうぞよろしくお願いします!
i328604
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