アタシのサプライズ
久しぶりの投稿です。
申し訳ありません!!
今後も投稿出来るように頑張ります!!
「エヘヘ♪ 行ってらっしゃい!早く帰って来てねぇ!」
「アリスもな!」
少し照れ笑いしながらセイヤは宿から出ていった。
扉の閉まる瞬間スキップしているのが目にはいる。
急いで窓の外を見るが、もうセイヤは走り去っていた。
アタシは走り去ったセイヤに頬を膨らませていた。
「そんなに新しい装備が楽しみなのかなぁ?
…………むぅ~装備に嫉妬しちゃうよぉー」
アタシといるより新しい装備の方が良いのかな?
アリスはより一層頬を膨らませた。しかし、次の瞬間には大きく首を横に振っていた。
「ダメダメ! 装備なんかに嫉妬しちゃッ。
装備に嫉妬しちゃう女の子なんてセイヤに嫌われちゃう!」
セイヤに嫌われるのだけは絶対イヤッ! セイヤに嫌われる位なら死んだ方がましだよぉ……。
「セイヤに嫌われないようにしなきゃ!
その為にも今日のサプライズは絶対に成功させなきゃね!」
セイヤが契約してくれたおかげでアタシはこうして森の外へやってこれた。美味しい料理も食べさせてくれる。
少しでもお礼がしたいの! だからサプライズをするの!
この為にセイヤと一緒にいれるはずの時間を一週間も削ったんだから。そのおかげでセイヤに心配されちゃった……ゴメンねセイヤ! でも、それも今日まで。料理は鏡に入れてるから後はプレゼントを買うだけ。
「でも何を買えば良いかなぁ?」
セイヤは何が欲しいかな?
う~ん……。ッ!? もしかしてアタシとか? キャァー――!! セイヤのエッチぃ!! でもセイヤが望むならいいよ! エヘヘ……エヘヘヘヘ♪♪ もうセイヤったらぁ……。
「はっ! いけない、顔がニヤけちゃったぁ。
プレゼントはアタシでもいいんだけど、まだ早いよね……今回は別の物にしておこぉ」
何が良いかなぁ?
「ここで考えても仕方ないから街に行って考えよう」
思い立ったが吉日
素早く着替えて部屋から出ていく。
階段を駆け降りる。
「あら? アリスちゃん。そんなに急いでどうしたんだい?」
「あ! ヤンおばさん!」
この人はこの宿の女将さん。アタシの料理を手伝ってくれたいい人。料理を教えてくれたり、味見をしてくれたりでスッゴく助かったの!
「セイヤへのプレゼントを買いにいくの!」
「あら、じゃあ今日決行するのかい?」
ヤンおばさんにはサプライズの事を言っている。アタシの作戦に喜んで協力してくれてる。
「うん! いろいろ手伝ってくれてありがとうヤンおばさん!」
「やだね、照れるじゃないかい。……成功するといいね」
「うん! 絶対に成功させるよ!」
「そうかい。頑張りなよ。
それと気をつけて行ってらっしゃい!」
「うん! 行って来ます!」
アリスは街へと走り去っていく。
その様子を見てヤンおばさんは呟いた。
「セイヤちゃん愛されてるわねぇ」
~商店街~
「何が良いかなぁ? 武器? 防具? アクセサリー? それとも本とか?
う~ん……武器と防具は要らないだろうからアクセサリーかな?
とりあえずアクセサリーを重点的に探してみよう!」
近くにあったアクセサリーショップに入って行く。うわぁ……一杯あるなぁ。お金はいっぱいあるけど数が多いから時間がかかっちゃうなぁ。
立ち往生していると女の店員さんがこっちにやって来た。
「お嬢ちゃんどうしたの? 迷子なの?」
「ううん、アクセサリーを買いに来たの」
店員が目を見開いて驚いている。それは仕方がない事だ。だってアリスは見た目が……幼女なんだからッ!!
「へ、へぇそれは偉いね。お金はちゃんと持ってるの? それともお父さんお母さんが近くにいるの?」
「お金はちゃんと持ってるよ。ほら!」
アタシは鏡から金貨を五枚を取り出して見せた。
「ちゃ、ちゃんと持ってるわね。じゃ、じゃあ何かあったら声をかけて」
またも目を見開き、今度は口もポカーンとしていた。
「うん? 分かった」
どうしたんだろう? 変な店員さん。
それより選ばなきゃ!
「う~ん良いのが無かったなぁ。どうしようこれから?」
他の店を見るのも良いけど時間の無駄な気がするなぁ。
……そうだ!知り合いに聞いてみよう!
でも誰に? ……やっぱりマユの所かな
「うん! 早速行ってみよう!」
~薬屋~
「マユいる~?」
ドアを勢いよく開けて呼び掛ける。
勢いよく開けられたドアが悲鳴をあげている。
「はいはいどちらさ、あらアリスちゃん。久しぶり、今日はどうしたの?」
アリスはレベッカの薬の一件以来もちょくちょくマユの元へ訪れている。
「セイヤにプレゼントしたいんだけど何が良いかな? 何か思い付かない?」
「プレゼント? フフ♪ 愛されてるわねセイヤさん」
マユは一瞬ポカンとしたが直ぐにクスクス笑い始めた。どうして笑ってるんだろう? そんなに面白いこと言ったかな? むぅ……アタシは真剣なのに!
「あぁごめんなさい! だから頬っぺを膨らませないで。怒った姿も可愛いけど……」
「何で笑ったの?」
「うふふ♪ それはね、セイヤさんに尽くすアリスちゃんが健気で可愛いと思ったからよ」
「え? アタシ可愛い? セイヤもそう思うかな?」
「ええきっと思うわよ」
「やったぁ~!!」
セイヤに可愛いって思ってもらえる!!嬉しい嬉しい!! エヘヘ♪……。
「ウフフ♪ あ、それでプレゼントだったわね。
そうねぇ……セイヤさん冒険者だからミスリルのイヤリングかネックレスが良いんじゃないかしら。少し値が張るけどね」
「ミスリル? どうして?」
何でミスリルなの? 普通のイヤリングやネックレスじゃダメなのかな?
「それはね、ミスリルには特殊な能力が付いてるからよ」
「特殊な能力?」
「えぇ。ミスリルは能力との相性が凄く良いの。だからミスリルを身に付けてると能力の力が上がるのよ。だから高ランクの冒険者は皆ミスリルを身に付けてるわ」
「そうなんだ! じゃあそれにする!」
これでセイヤへのプレゼントが決まった!
「プレゼントが決まって良かったわ。
お店はここを出て左向きに真っ直ぐ行けばあるから」
「分かった! ありがとうマユ!」
急いで行かなきゃ!セイヤが何時帰ってくるか分からないから。
「あ、待って! 今紹介状を書くから」
「うん!」
やっぱりマユって優しい! アタシの周りには優しい人ばっかりで嬉しいよ!
マユはスラスラと紹介状を書いていく。
「よし出来た。じゃあこれを持っていってね。亭主はドワーフだから少し怖いかも知れないけど優しい人だから安心してね」
「うん! ありがとう! じゃあね!」
「じゃあね」
アリスは走って行った。
「ウフフ♪ 愛されてるわねぇ」
~ドワーフ工房~
「こんにちわ~居ますかぁ?」
「はいはい。おや? どうしたんじゃお嬢ちゃん?」
「ミスリルのアクセサリーを売って欲しくて」
「む、ミスリルかぁ。すまんがお嬢ちゃんには売れんな」
「え? どうして?」
ミスリル買えなかったらセイヤにプレゼントあげられないよぉ。
「お嬢ちゃんみたいな子供には売れんよ。紹介状があれば別じゃがな。それにミスリルは高価じゃ。お嬢ちゃんじゃ到底買えんよ」
「紹介状はあるよ」
「なぬッ!? ちょっと見せてな」
「はい紹介状。お金これじゃ足りない?」
アリスは鏡から紹介状と金貨五枚を出した。
ドワーフはいきなり金貨が出てきた事に驚き目を見開いている。
「これ位有れば足りるじゃろう。それに紹介状もマユ嬢の物だし問題ないじゃろう。
よし、売ってやろう。何が欲しいんじゃ?」
「やったぁ~。……じゃあミスリルのネックレスを頂戴」
「あい分かった。ちょいと待ってなさい」
「うん!」
ドワーフは棚からミスリルを取りながら語りかけてくる。
「何故ミスリルがいるんじゃ?」
「セイヤにプレゼントするの!」
「プレゼント何故じゃ?」
「セイヤはアタシの恩人だからお礼がしたいの!」
「恩人にお礼かぁ。偉いんじゃな」
「そんなことないよ!アタシが好きでやってるだけだから」
アタシがセイヤを好きで好きで仕方ないからやってるんだよ!!
ドワーフが棚から箱を二つ持ってこっちに来た。
「ほれこれがミスリルのネックレスじゃ。後おもけにミスリルのイヤリングも付けたぞ」
「おもけ? 何で?」
「ワシがお嬢ちゃんの話に感動したからじゃよ。遠慮せずにもらってくんしゃい」
「うん! ありがとう! お金いくら?」
「う~ん……金貨三枚でいいじゃろう」
「はい」
アリスは迷いなくお金を渡す。
「はいまいど。気をつけて帰るんじゃよ」
「うん! ありがとうおじさん! またね」
「ははっまたなじゃ」
アリスは宿へ走り去った。
「ワシも子供には甘いな」
アリスは知らない。ミスリルのアクセサリーが一つ金貨五枚はくだらないことを。
そんな事を知らずにアリスはセイヤの帰りを待っていた。
「セイヤまだかなぁ?早くしないと料理が冷めちゃうよ」
それから少ししてセイヤは帰ってきた。
久しぶり総合評価よろしくお願いします!!