俺、武器を取りに行く(2)
パカッ……
セイヤが箱を開けるとそこには…………
「指輪…ですか?」
「そうです。素材の量があと少なかったので指輪にしました」
「なるほど……」
(もう少し素材を渡せばよかったな……)
セイヤが箱に入っていた2《・》つの指輪の内の1つを取り出した。
リングが青色で、その途中に水色の宝石のような物が嵌め込まれている。
「……キレイですね」
「えぇ、こんなにキレイな魔石は初めて見ましたぞ」
(魔石?)
聞きなれない言葉が出てきた。
「すいません。魔石って何ですか?」
じいさんは少し驚いたようだったが、すぐに気持ちを切り替え教えてくれた。
「魔石と言うのはモンスターの体内にあるもので、そのモンスターの象徴をかたどった物です。今回使ったクラーケンは水を象徴としていたようですね。
同じクラーケンでも別々の魔石が取れるんですよ。魔石も人それぞれ性格が違うように1つ1つ効果が違うんですよ」
(なるほど……つまり俺の影の中にあるモンスターの死骸達も魔石があると……知らなかったな……今度から有効活用しないとな)
「説明ありがとうございます。……それで…この指輪はどんな効果があるんですか?」
「この指輪は、周辺にある水を氷に変換し、それを自在に操る事が出来ます。……ただし、初級魔法レベルですが……」
「なるほど」
(俺にしては好都合だな)
クラーケンから作った指輪を左手の中指にはめ、もう1つの指輪を取り出した。
「凄く禍々しいですね」
リングは真っ黒で、その途中に目玉のような物が嵌め込まれていた。
「その目玉ですが、魔石のようです」
「魔石ッ!?」
驚いてすっとんきょうな声を出してしまった。
「はい、わしも初め取り出した時は驚きました。こんな形の魔石を見たことも聞いたこともありませんでしたから」
(確かにアルゴスは目玉メッチャあったけど魔石まで目玉にしなくても……)
「そんな珍しい事が……」
「はい。そのぶん効果も凄いです」
「……?」
「この指輪は、所持者の周りに結界を張り、1日1度だけどんな攻撃も消滅させる事が出来ます」
「うん、チートアイテムですねぇ」
さすがに強すぎじゃないですかぁ!!
内心そんな事を思いながらもしっかりと右手の中指に指輪をはめる。
「気に入ってくれましたかな?」
「えぇ、俺には勿体ない程に」
「そんな事はないですよッ! セイヤさんにしか使いこなせない物ですよ」
そのミアの言葉に照れながら言い返す。
「ありがとう。このアイテム達を使いこなせるようにこれからも頑張っていくよ」
セイヤは出口へ歩き出す。
「また来ますね」
セイヤは店を出て、街の外へと走り出した。
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