俺、武器製作をお願いする
「結構遠いんだな」
俺は今、ミアのおじいさんが経営している鍛冶屋へ向かっている。
鍛冶屋へ向かいはじめてから30分は経ったと思う。
「はい。おじいちゃんは街の端にお店を建てちゃったんですよ……だからお客さんも滅多に来なくて」
「……そうなのか…」
少し空気が悪くなった。
(やっちまったなぁ……こんな空気にするつもりじゃなかったんだけど……)
「なんか悪いな。こんな空気にして」
その言葉にミアは首を横に大きく振り、笑顔で答えた。
「いえいえとんでもないです!それにセイヤさんは久しぶりのお客さんですから!」
「そう、だな……腕を期待してるよ」
「はい!期待していてくださいね!」
そんなことを話ながら店へ歩いていった。
◇◆◇◆◇
◇◆◇◆◇
「着きました!ここが私のおじいちゃんがやっている鍛冶屋です!」
「へぇ……」
(やっぱり店はしっかりしてるもんだよな)
セイヤは目の前の店を見て、マユの店を思い出していた。
(マユの店酷すぎだろ……今度直しに行ってやろうかな?)
「セイヤさん!どうですかこの店!」
「あぁ、凄く立派だと思うぞ俺は……」
ミアはパアッ!と笑顔になった。
「ホントですかッ!?良かったですぅ」
セイヤは『アハハ……』と少し笑い、ミアはあからさまにホットしている。
「さぁ!中へどうぞ」
「失礼します」
中へ入ると、剣や斧、短剣や槍などの武器が何品か飾っていた。
(あの飾っているものは良いものなのか?……ちょいと見てみますか!【鑑定】)
青龍の尻尾
能力:火炎吸収
青龍剣
火炎吸収
火の攻撃を全て吸収する
青龍剣
吸収した炎を剣に纏わせる。剣に纏われた炎は青炎となり、その辺の剣は跡形もないほどの威力になる。
(強いぇぇぇぇぇ!!それに青龍ってあの青龍ですよね!この世界にもいたんですね!)
そんなセイヤの内心を知らないミアは……
「おじいちゃーん!お客さんだよー!」
少し経つと……
「これこれ、そんなに声を出さなくても聞こえとるわい」
現れたのは白髪混じりの気の良さそうなおじいさんだった。
「おじいちゃん!お客さんだよ!武器を作って欲しいんだって!」
「ん?その様子じゃと知り合いのようじゃが、紹介してくれんかの?」
「うん!さっきチンピラに絡まれている所を助けてくれたんだ!」
少し説明を省いているが大方あっているだろう。
「これはこれは孫がお世話になりました」
「いえ、誰かを助けるのは当たり前ですから」
「ほほ……よく出来た人(魔族)ですなぁ。それで武器を作って欲しいと言うのは?」
「実は持ってきた素材で剣と素材に合った武器を作ってもらいたいんですよ」
そう言ってセイヤは、小分けして袋につめた邪獣とクラーケンを出して、渡した。
おじいさんが袋の中を見ると目を見開き聞き返してきた。
「この素材はッ!?」
「俺が倒したモンスターの一部です。クラーケンはこの鉄の剣に追加で能力を付けてください。邪獣はその素材から剣を作ってくれませんか?……余った素材で特性の合った装備を作ってくれるといいんですが」
セイヤの言葉に初めは呆れていたが、すぐに新しい素材を使ってみたいという感じになっていた。
「任せんシャイ!1週間で終わらせる。楽しみにしておれ!」
そう言っておじいさんは素材をもって奥へ消えていった。
「おじいちゃん、楽しそうだなぁ」
「あぁ、生き生きしてるな。それより貴重な素材だ、滅多に見れないと思うから勉強してきたらどうだ?」
ミアははっとなって奥へ入っていった。
ガチャン……
セイヤは静かに店から出ていったのだった。
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