俺、さあ!殺り合おうぜッ!
「さあ!殺り合おうぜッ!」
セイヤは少女を庇うように前に出て、チンピラどもにいい放つ。
「テメェさっきまでナヨナヨしてた癖に女の前に出るとカッコつけやがって!お前らやっちまえッ!」
『うぃっす!お頭!』
大男の言葉に取り巻き達がニヤニヤしながら答える。
(どうせ俺が女の前で強がっていると思っているんだろう。まったく人が下手に出ていれば調子に乗って……)
「大丈夫なの?」
(おぉう……少女も疑っているんですね)
「大丈夫、心配しないでいいよ」
セイヤの優しい口調に黒髪少女は……
「あの……私の事を庇って戦おうとしているんだったらやめてください」
少しいや、かなり不安そうに言ってきた。
(やっぱりさっきのやり取りを見てたらそりゃあ不安だよなぁ)
「大丈夫だって!」
少し怒り気味にセイヤが言った。
「何かごちゃごちゃ言ってるようだが気にするな!やっちまえ」
「おりゃあ!やっちまえ!」
「ボコボコだー!」
「俺らに逆らった事を後悔させてやる!」
「…………」
黒髪少女が半分怯え、半分呆れたような表情をしている。
「はいはい。いかにもチンピラが言いそうな事を言ってくれてありがとうございますぅ。…………とっとと来いよ!」
セイヤの怒鳴りに少し怯んでいたがすぐに怒鳴りちらしてくる。
「さっきまでナヨナヨしていた奴が偉そうにッ!」
「ナヨ男はナヨナヨしながらそこの女を渡せや!」
イラッ!……
「うるっせいなッ!さっきからナヨナヨナヨナヨ言いやがって!お前らチンピラくらい瞬殺出来るんだよ!」
(そんなにナヨナヨ言われたら俺の堪忍袋が破裂するだろうがっ!)
セイヤの堪忍袋はどんだけ小さいんだ。ガマ口くらいですかぁ?(by作者)
「さっさとかかってこいや!」
作者の悪口がセイヤの怒りの炎に油を注ぐ。
「じょうとうだっ!お前ら一斉に殺るぞ!」
『おうッ!』
副リーダー的な奴が指示をだす。
「これでも食らえ!」
全員がナイフを出し、降り下ろしてくる。
その姿を大男がニヤニヤしながら見ている。
「きゃあぁ!!」
黒髪少女が両手で目を抑える。
「……遅いな」
「うぎゃッ!」
「へぶりゃッ!」
「バギャッ!」
「……え?」
黒髪少女が両手をのけると、チンピラ3人がのびていた。
「どうやって?」
黒髪少女がセイヤの方へ振り向く。
その手には電気がバチバチと光っていた。
「やっぱりチンピラにはこの程度だな」
「ひ、ひぃぃ~!な、なんだアイツ!こんなの聞いてねーぞ!」
楽な仕事だと思ったのに!と、言いながら逃げていく。
もちろん俺の服と金を持って。
「あ、あの?良かったんですか?お金と服」
黒髪少女が遠慮がちに聞いてくる。
それをセイヤがニヤニヤしながら答える。
「大丈夫、大したものじゃないから」
そう、セイヤはその辺の店で買ったマントと銅貨30枚程を大男に渡したのだった。
(メタボが驚く顔を見られるかな?)
総合評価よろしくお願いします!!