俺とメタボ
昨日薬屋から帰ってきてから、ずっとレベッカの事を考えていたが答えが出ないまま眠りについた。
結局朝になっても答えは出なかった。
「レベッカのことは少しおいておいて、今日は武器を作ってもらいに行くか。アリスも行くか?」
セイヤはアリスに問いかけた。
その問にアリスは首を横にふり断った。
「試したいことがあるから今日は一人で行ってきて。……だいじょうぶ?わたしがいなくても」
可愛い顔して首を傾げてくる。
それにセイヤはアハハ♪と笑いながら答える。
「大丈夫だよ。アリスと会う前だってちゃんとやってこれたんだから」
「そっか……それもそうだね!じゃあ私は後で出るからセイヤは先に出ていいよ」
「そうか?じゃあ俺は先に出るからアリスも気を付けろよ」
「うん!分かってる!」
そう言ってセイヤは宿から出ていった。
◆◇◆◇◆
◆◇◆◇◆
「さて鍛冶屋はどこかな~?」
今セイヤは鍛冶屋を探している。
何故探しているかと言うと…………ジャングルの中でレベッカが言っていたモンスターの素材で装備を作ってもらうためだ。
(防具はこのマントだけでもいいんだが、さすがに鉄の剣だけだと心細い)
「確かギルドで聞くかぎりでは表通りにオススメの鍛冶屋があるって言ってたよな。ちょっと行ってみるか」
歩き始めてから10分くらいで例の鍛冶屋を発見できた。
「これは……随分派手だなぁ」
店の前には金や宝石をふんだんに使った看板があった。
(何か趣味がわるいなぁ)
そう悪態つきながら店に入る。
「すいませーん」
「はいはい何でしょう?」
店の奥から小太りの男がやって来た。
「本日はどのようなご用で?」
「素材を持ってきたので、それで武器を作ってもらいたいんですが」
「なるほど…………失礼ですが冒険者のかたですか?」
ただ相づちをうっている店員が聞いてきた。
「ん?一応そうですよ」
「よろしければランクをお聞きしても?」
(あれ?俺今ランクどれくらいだっけ?まぁ多分Fランクくらいだろう。Fランクでいいか)
「Fランクです」
「Fランク……はぁ……すいませんが武器を作ることは出来ませんね」
店員の態度が急変し、面倒な客を相手にするような態度だ。
(態度わるいなぁ。この店はランクで客を選ぶのかよ)
「そうですか。それは失礼しました。別の鍛冶屋を当たってみますね」
少し嫌みったらしく言うセイヤに店員が睨み付けている。
すると店員の顔が驚きにそまりセイヤを呼び止めた。
「お待ち下さい!……本当はダメですが、お客様の持っているそのマントならある程度の物と交換出来ます!」
(コイツ急にどうした?)
「いや、結構です」
「そうおっしゃらずに……そのような少し強度が良いようなマントよりうちで作っている防具のほうが良いものが揃っています」
(コイツ、俺のマントが目当てか…………でも何で急に……何かのスキルか?少し調べて見るか。【鑑定】)
ダメ・タボ 33才 商人
武器:なし
防具:なし
能力:土操作(開花前)
魔法:なし
スキル:交渉
時価価格想定
(ダメタボって……ふふふ♪…………おそらく俺のマントのことを分かったのは時価価格想定だよな。まぁこんな奴には渡さないけどな)
「あの店員さん」
「はいはい何でしょう?交換してくれます?」
(この顔は物の価値も知らない田舎者が!ってな感じだな)
「いえ、ただまったく価値が釣り合っていない物と無理に交換させるような店で買い物は出来ないってだけの話ですよ。それでは失礼させていただきますメタボさん」
「ぐっ!」
店を出るときにメタボがめっちゃ睨んでいた。
「はぁ……あの店は失敗だったな」
別の鍛冶屋を探しに行くセイヤであった。
総合評価よろしくお願いします!!
明日は少し忙しいので投稿は出来ません。ホントにすいません。