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無属性の天下統一  作者:
魔族大陸生活編
114/130

俺薬を使用

「ここよ!」

「着いたか!」


 レベッカの家は石造りの二階建てだった。


「急ぐぞ!もう時間がない!」

「分かったわ!」


 そう言ってレベッカは靴を投げ捨て家へ入っていく。


 セイヤもレベッカに続き家へ入っていく。


「お前のお母さんは何処にいるんだ?」

「二階よ!早く行きましょう!」


 レベッカは二階へかけ上がる。

 セイヤもレベッカのワンピースを下から覗かないようにあとを追う。


「この部屋よ」


 ガチャ……


 中に入ると……


「これは……」


 ベッドに女性が苦しそうに横たわっていた。

 顎から鼻の下まで緑に変色していた。

 体は掛け布団に隠れて見えないが顔と同じ具合だと推測出来る。


 (これは酷いな)


「お母さん、帰って来たよ」

「れ、レベッカ……おかえり……な……さい」

「ただいま。お母さんもう大丈夫だよ、薬を持ってきたから」


 レベッカひそう伝えると、俺の方へ歩いてきた。


「ねぇセイヤ、ホントにこの薬は大丈夫なの?」


 レベッカの顔には不安の色が見える。


「あぁ!大丈夫だ!俺を信じろ」


 レベッカの不安をなぎはらうように力強く言い放つ。

 

 レベッカはポカンとした表情でセイヤを見ていたが、すぐに笑顔になりこう言った。


「そうね。セイヤの言うことだもの、信じないわけにはいかないわね♪」


 少し冗談まじりに言うレベッカにセイヤも……


「あぁ、俺は嘘つかないからな」


 冗談まじりに返すのだった。


「ほら、もう時間がない。早く飲ませてやれよ」

「えぇ、そうするわ」


 セイヤきら薬を受け取り、お母さんに飲ませにいく。


「お母さん、これを飲んで……」

「……うん」


 ゴク……ゴク……


 レベッカのお母さんが薬を飲んでいく。

 

 するとみるみると肌の色が治っていき、緑色の肌が全てなくなった。


「すぅーすぅー」

「お母さん……ぐす!よかった」


 安定した寝息にやっと安心したレベッカが、ベッドに顔を埋めて泣きじゃくる。


 (俺はお邪魔だな)


 セイヤはそっと部屋を出ていく。レベッカの家も出て、マユに預けたアリスを回収しに歩き出す。


「しっかしギリギリだったなぁ」


 00:08


「あとちょっと遅かったら効果がなかったな」

「これでレベッカともお別れかな?」


 これ以上することもないしな…………。


「セイヤ!待って!」

「ん?レベッカ!どうしたんだ!?」


 息を荒くしてレベッカが走ってきた。


「はぁはぁ……お礼が言いたくて!」

「お礼?」

「うん!色々手伝ってくれてありがとう!」

「なんだそんなことか、いいよ別に」

「ううん、ホントにありがとう!……それとお願いがあるんだけど」


 レベッカが上目遣いで言ってくる。


「お願い?なんだ?」

「うん。あのね……私に戦い方を教えて欲しいなって」

「戦い方?どうしてだ?」

「お母さんがあんな状態だから暫くは私が稼がないといけないから」

「だから冒険者に?」

「うん。ダメかな?」

「はぁ……仕方ないな」


 そんな理由じゃあ断ることは出来ないよな。


「ホントッ!?ありがとうセイヤ!」

「いいって」


 (まぁお別れはまだ先でいいかな)


「セイヤ」

「ん?どうし……ん!」


 レベッカがいきなりキスをしてきた。レベッカの顔は真っ赤だ。


「ぷはっ。ま、またね!!」

「あ、あぁ」


 レベッカは走って行った。


 セイヤは唖然と薬屋へ歩いていくしか出来なかった。

総合評価よろしくお願いします!!

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