俺薬師と出会う
俺達は今、裏通りに訪れている。裏通りはスラムと似たような場所だ。
裏通りにある薬屋と書いてある小屋に来ていた。
「ここか?」
「うん、そうだよ」
「…………」
(こんな小屋を店にしてるのか……)
ただでさえ裏通りなのにこの小屋は周りの家より更に酷い。所々穴があるし、木材がもうボロボロでいつ倒れてもおかしくない状態だ。
「さあ入りましょうか」
「…………あぁ(いつ倒れてもいいように逃げる準備をしておこう)」
俺達は小屋の中に入る。すると……
「いらっしゃいま…あ、レベッカちゃん。久しぶり」
キレイな女性がいた。
年は俺より少し上のお姉さんだ。灰色に近い黒の髪の毛が腰辺りまで伸びている。
胸は…………普通。DよりのCぐらいじゃないか?
お淑やかでとにかく美人さんだ!
「久しぶりマユ、元気にしてた?」
「うん。元気だよ!あ、お母さんが何かの病気にかかったんだってね。今日はその薬?」
「うん。実はそうなの」
(あの~俺忘れられてません?)
セイヤ、久しぶりの再開を邪魔するなよ。
(はいはい分かりましたよ)
「で、どんな病気なの?」
「ゴブリン病よ」
「ゴブリン病ッ!?……かかってからどのくらい経ったの?」
マユが焦りだしたが、一瞬で冷静になる。
(おぉ!さすがプロだな)
「1週間経ったわ」
「1週間…………ごめんなさい、私には1週間で金貨5枚を集めるのは無理よ」
(え?この人お金を集めて薬を買おうとしてくれてたの?優しいですねー!)
「せめて素材があれば自分で作れたのに……」
「あの~1ついいですか?」
「あ、はい、何でしょう?」
ここでセイヤが初めて話に割り込む。
「素材があるんで作ってもらうためにここに来たんですけど」
「え?素材が?……ホントにあるのレベッカちゃん?」
「うん。揃えてるよ」
マユの顔が明るくなった。
助かると思って明るくなったんだろう。
「ホントッ!?……でもどうやって?邪獣やクラーケンは相当強いはずよね?」
「あぁ、それはセイヤ……彼が倒したそうよ」
「へぇ、彼が……あまり強そうには見えないけど……あ、ごめんなさい!」
(散々な言われようだな。まぁ、17の子供が強そうかどうかで言われたら強そうには見えないだろう)
「いいですよ。それより薬を作ってくれますか?」
「!?……えぇもちろん作らせてもらうわ」
「マユ、ありがとう!」
レベッカが涙目でお礼を言う。
「いいのよ。……じゃあ早速奥で作ってくるから素材を持ってきてくれる?」
「あ、はい。よいしょっと」
セイヤは影から袋を取り出してマユに渡す。
困惑するマユ。
苦笑いするレベッカ。
セイヤの背中で熟睡するアリス。
↑の事を気にせずセイヤは続ける
「この中に素材が入っているんで使ってください」
「あ、ありがとう。じゃあ作ってくるわ」
「頑張ってマユ!」
俺達は薬が完成するまで待つことになった。
総合評価よろしくお願いします!!