俺達の帰還
ドドドドン!ドドドドン!……
「ふぅ…ふぅ……大分戻って来たな」
セイヤ達はまだ森を抜けていなかった。だが出入口の近くまで来ている。
「そうね。……もうすぐお母さんを治せる……!」
「そうだな。……でも薬を作らないといけないんだよなぁ……」
「それは大丈夫!友達に腕のいい薬師がいるから!」
(!?……聞き捨てならない言葉が出てきたな。本当なのか?
本人に聞いてみるか……)
「……レベッカお前……友達いたのか?」
レベッカの顔が赤く染まっていった。
(あれは恥ずかしさに顔を染めたんじゃなくて、怒りに顔を染めたのか。…………なんかヤバそうだな)
「し、失礼ねッ!私にだって友達の10人や20人はいるわよ!バカにしないでよ!」
「そ、そうだよな。勝手なイメージで決めつけちまって悪かったよ」
「わ、分かればいいのよ分かれば!」
まったく……と、言いながらレベッカは回りの景色を見だした。因みにアリスはレベッカの膝の上で寝ている。
ここに来るまでに何回かモンスターと戦闘をしてきたが全てアリスに教えてもらったリフレクトミラーで返り討ちにしてきた。大抵のモンスターが空から攻撃するモンスターだった。何か意図があるのだろうか?さっぱり分からない。
と、そんなことを考えていると森の出口が見えてきた。
「おいレベッカ、出口が見えてきたぞ」
「分かっているわよ!そんなことをいちいち言わないでよ!」
「へいへい……分かりましたよ」
(まったく俺はお前の執事じゃないんだぞ……)
「はぁ……レベッカ、アリスを起こして人力車から降りてくれ」
「?……どうして?このまま運んだら良いじゃない」
「こんな真っ黒な物を引っ張ってる男は目立つだろ?俺は目立つことがキライなんだよ。だから悪いけど降りてくれるか?」
目立つのがキライなわけではなく、目立って正体がバレるのを恐れているからの行動だ。
「目立つのがキライ?そうだったの?なら仕方ないわね。森では運んでもらったんだし歩くくらいは楽勝よ。……アリスちゃん、起きて!もう森を抜けたよ」
「うぅん……あれ?もう森をぬけたの?速いねぇ。さすがセイヤだよ!」
「はいはいありがとう。それより早く歩かないと日が暮れるぞ」
もうお日さまが傾いていっている。
「そうね急がないと!さぁセイヤ、アリスちゃん、行きましょうッ!!」
「ちょ!レベッカ!走るなよ!」
「あ、まってよセイヤぁ!」
↑から全力疾走すること30分、ようやく街に着いた。
「セイヤ!明日の朝にここで集合ね!一緒に薬師の所へ行くから!」
「りょーかい!また明日な!」
そう言うとレベッカは走って自分の家へ帰っていった。
「アイツあんなに走ったのにまだ走れるのかよ。さぁて俺らも宿に行きますか!」
「おぉ~!」
こうしてセイヤ達も宿へ帰っていったのだった。
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