俺達帰還中
「うぉぉぉおお!!」
俺は今、アリスとレベッカを乗せた人力車をもうスピードで引っ張っている。別に自分で引かなくても操れるが運動のため、自分で引いている。
あ、因みにさっきの雄叫びは、俺頑張ってますよアピールです。
「わぁ!早い早い!!もっともっと!」
「りょ~か~い!【魔導武装:落雷】!それっ!」
セイヤは青い雷を体に纏い、先程よりも速度を出して人力車を引いていく。
所々というより、前方にほぼ木しかない森を、なぎ倒し、回収しながら進んでいく。
「も、もう…これ以上スピード上げないでよぉ~」
セイヤもさすがにレベッカを気のどくに思えてきた。
(今日1日でレベッカの寿命は何歳縮んだか……もしかしたら病気の母親よりも早く逝くんじゃないか?……俺も少しは反省した方がいいな)
「これ以上スピード上げないから少し我慢してくれ!」
「は、早く終わらしてよぉ!」
「(それ矛盾してね!?スピード出さずに早くするのは無理だろ!)わ、分かった…」
(それに行きはもっと速かったんですけど……)
そんな事を思いながら木をなぎ倒していくと、空から鳥のモンスターがセイヤに向かって降下してきた。
「セイヤ危ないッ!!【鏡反射】!」
「ウギャッ!?」
アリスは鳥のモンスターとセイヤの間に、鳥のモンスターの2倍はある鏡を生成した。
鳥のモンスターは吸い込まれるように鏡に"入っていき"、倍のスピードで来た方向に飛んでいった。
「さっきの技は……俺の反射障壁にそっくりだな…」
(無論鏡の中に入るようなことは無いが、倍になって反射されるのはそっくりだ)
「なぁアリス、この技どこかで見たことないか?【影術式:反射障壁】……どうだ?」
セイヤは反射障壁をを出してアリスに見せた。
「これは……」
アリスが反射障壁に触ると、ばちっ!っと、弾かれてしまった。
「やっぱり!これは前に私が作った魔法だよ。さっきのミラーリフレクトよりは一段下だけどー!」
「やっぱり劣化版だったかぁ……なぁアリス、俺でも使えるか?」
「え~と、私の技では結構普通のだから今の信頼度でも使えると思うよ!」
(あの性能で普通ねぇ……さすが精霊様だよ)
「ちょっと試してみるか……【鏡反射】……」
リフレクトミラーは出来た事には出来た。でも何で…………何で"真っ黒"なんだ!?
何か能力を使うと全部黒くなるのか俺の能力は!?
もう俺、黒尽くしだよ……。
少し落ち込んでいる。セイヤがリフレクトミラーのどこで落ち込む要素があったのか聞いてみたいわ!
「おぉ~、出来たねぇ~!お揃いだよお揃い!」
「ふふ♪……あぁ、そうだな」
落ち込んでいた事を2秒で忘れるセイヤであった。
総合評価よろしくお願いします!!