俺達の帰還準備
レベッカにかくかくしかじか説明し終わってお茶をしていた。
「それにしてもセイヤが精霊と契約するとはねぇ……」
「俺も驚いたよ……で、これからどうする?」
「どうするって?しばらくここにいればいいんじゃない」
(コイツ、ホントに忘れているのか?)
「お前はそれで本当に良いのか?……レベッカ、ちゃんと考えろよ」
「考えろって言われても何を考えれば良いのよ?」
「いや、レベッカがこの森にきた理由だよ」
「私がこの森にきた理由?……何だっけ?」
「…………」
(この子、大丈夫か?気絶し過ぎて記憶とんでんじゃね?)
「なぁレベッカ、俺達は精霊の実を取りに来たんだよな。それは何故だ?」
「せいれいのみ?…………あ!そうよ!お母さん!お母さんの病気を治すために精霊の実を取りに来たんだった!こんなことしてられない!早く街にかえりましょ!!」
(やっと思い出したか……どんだけ間抜けなんだよ)
「んじゃあ帰る準備をするかぁ」
「準備?必要ないんじゃない?」
「俺達には必要ないかも知れないけど、アリスには必要だろ?」
「あ、そうよね。ごめんなさい、私焦っていたわ」
そう言いながらもレベッカの目には焦りが消えていなかった。
(焦りが消えてないんなら忘れてんじゃねーよ!でも仕方ないな)
「まぁ、レベッカがおかれている状況も分かるから仕方ないよ。……アリスも出来るだけ早くしてやってくれ」
セイヤはそう言いながらアリスへ向き直った。
「大丈夫!大事なものは全部鏡に入れてあるから!」
「鏡に?」
「うん!こうやって……ほらね」
アリスは両手を前に出したら光の粒が集まり、鏡を生成させた。
(あの鏡は俺の影同様に物を入れれるのか?)
「へぇ、アリスちゃんは鏡を作れるんだぁ。それって無属性なの?」
「うんそうだよ。この中に色々な物を入れれるの」
「え?その中に何か入ってるの?」
「うん!凄いでしょ!」
(やっぱり同じだったか。無属性には何か共通点でもあるのか?)
「へぇ、良いなぁ。私もそんな能力が良かったよぉ」
「うん!セイヤとお揃い!」
「え?俺とお揃い?……あぁ、契約した時に使えるようになったアリスの能力か。……そういえばまだ使ってなかったなぁ……どうやるんだ?」
「う~ん、想像すれば出来るよ?」
(なぜ疑問系なんだ?)
「んじゃあちょっとやってみるわ」
セイヤは目をつむり、さっきアリスがやった事を思い出しながら生成を試す。
するとセイヤの両手に黒い粒が集まり、黒い鏡が生成された。
「……何故に黒?」
「セイヤカッコいい!」
「そうか?でもこれじゃあ鏡に映る色が分からないよなぁ」
(まぁ、カッコいいからいいけど!)
セイヤは黒い鏡を消して、二人へ向き直った。
「それじゃあそろそろ街に帰るか!」
『おぉ!!』
総合評価よろしくお願いします!!