俺の事情説明
「セイヤぁどこぉ?」
(なんだレベッカかぁ……驚かすなよ)
「そういえばレベッカをずっと閉じ込めてたなぁ……あんなに泣き声になって情けないなぁ……仕方ない開けてやるか」
情けないじゃないよ!
レベッカは……レベッカはな!2時間くらい前に起きてそれからずっと真っ暗な人力車の中でひとりぼっちだったんだぞ!壁は固くて壊せないし中も狭い。
そりゃあ泣きたくもなるわ!声を出しても誰も助けてくれないんだからな!
「よし開けてやるか」
ガチャン……。
「レベッカ大丈夫かうわっとッ!……いたた」
「ゼイヤァごわがっだよぉ!」
「(号泣だな……)悪かったなほうっておいて」
「ぐすっ……そうだよぉ。私をほうっておいて何してたの?」
「まぁ、それは家の中で話すからとりあえず入ってくれ」
「……こんな所に家が……入ってもいいの?」
「あぁ、許可は(大丈夫だろう)取ってあるから」
「そう。じゃあおじゃまします」
レベッカは『何でこんな所に家が?』という疑問より、自分を放置していた理由の方が気になるようで、早足で家の中に入っていった。
セイヤが家に入ろうとすると中から……
「きゃぁぁぁぁぁあ!!」
悲鳴が聞こえてきた。
「どうしたッ!?」
家の中に入るとレベッカが倒れていた。……その横にはアリスが立っていた。
「……アリス、一応聞くけどどうしてレベッカが倒れているんだ?」
「……私を見たら急に悲鳴をあげて気絶したの」
「やっぱりか」
「やっぱりぃ?」
あぁ……アリスは分からないのね。まぁ、そんなに人と関わってこなかったからだろうな……。
「……アリス、普通明らかに精霊と分かる少女がいたら誰だって同じような反応するぞ」
「そうなの?」
「そうだ。だからこれからは精霊と分からないようにしてくれ」
「うん!分かった!」
「よし、偉い子だ。なでなでしてやろう」
「なでなで?……やったぁ!」
(こんなことで喜んでくれるのか。……あわよくば信頼度も上昇してくれると嬉しいぞ)
なでなで
「わぁ……きもちいいね」
「そうか?ありがとな」
(レベッカいつ起きるかな?閉じ込めてたこともあるし叩き起こすのは可哀想だよな。……まぁ、起きるのを待つか)
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1時間30分ぐらいが経過した。
「んう……あれ?ここどこ?」
「やっと起きたかレベッカ」
「セイヤ……あ、そういえばこの家に入ったら精霊がいたっていう夢を見たんだ!いるわけないよね精霊」
「……レベッカ、後ろを向いてみろ」
「え?後ろ?……あれ?夢で見た精霊と同じ顔……あはは、まだ夢なんだなぁ」
まぁ、この反応が普通なんだよな。こっちの世界も日本と同じで精霊は空想上もしくは伝説の存在になってるからな。夢の方がまだ信じれるわな。
「……レベッカ、現実を見ろよ」
「え?じゃ、じゃあやっぱりほ、本物の精霊?」
「……そうだ」
「ふぅわぁぁ」
「……レベッカぁ」
本日2度目の気絶だった。
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